金属3DプリントのMarkforgedがSPAC経由での株式公開計画を発表

マサチューセッツ州のハイテク企業が、SPAC(特別買収目的会社)を通じた株式公開を計画している。Berkshire Greyがその意向を明らかにした直後、ウォータータウンを拠点とするMarkforgedがその計画を発表した。金属3Dプリント技術を開発する同社はKevin Hartz(ケビン・ハーツ)氏が作った特別目的会社のONEと合併し、同氏が取締役会に加わる予定だ。

この買収によりMarkforgedの価値は約21億ドル(約2200億円)となり、現金で約4億ドル(約420億円)を手にすることになる。同社はこの資金を新製品や新素材の研究開発に活用し、同社の技術による新たな垂直市場を開拓する計画だ。なお、Shai Terem(シャイ・テレム)氏は引き続きCEOを務める。

「Markforgedは添加製造業界の最前線に立ってきました」と、同社幹部はこのニュースに関連したリリースで述べている。「今回の取引により、Markforgedは信じられないほどの勢いを得て、当社のブランドを成長させ、製品のイノベーションを加速させ、主要な垂直市場における顧客の採用拡大を推進するための資本と柔軟性を提供することが可能になります」。

Markforgedは2013年の創業以来、同社の技術は1000万以上の部品のプリントに使用されており、Markforgedの機械は70カ国の約1万カ所に配備されている。なお、2020年の売上げは約7000万ドル(約74億円)だった。これまでに1億3600万ドル(約140億円)以上の資金を調達しており、2019年には8200万ドル(約87億円)の資金調達を行っている。

3Dプリントはここ数年で力強い成長を遂げているが、企業がこの技術に注目しているのは、それが最も一般的だったラピッドプロトタイピングを超えて拡大していくことが期待されているためだ。MarkforgedやDesktop Metalを含む競合他社の金属印刷は、プラスチックの堆積物よりもはるかに高い耐久性を提供する重要なステップと見られている。

SPACは企業を上場させる手段として人気が高まっている。Markforgedは現在のところ巨大なプレイヤーではない(スマートロックマットやラッチなどの一部の例外を除いて)が、状況は変わりつつあるようだ。今回の買収手続きは2021年夏に完了する見込みだ。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:MarkforgedSPAC3Dプリント

画像クレジット:Markforged

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(文:Brian Heater、翻訳:塚本直樹 / Twitter

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