銀行やeコマースなどへのユーザのアクセスのパターンからサイバー犯罪を予知するBioCatchが$10Mを調達

映画Minority Reportを見た方なら、”事前認識(Precognition)”という概念をご存知だろう。それは未来が見える能力で、その映画では犯罪を予知して防止するのだ。イスラエルのBioCatchは、同社独自の“行動的生物測定法による確定と凶兆検出(behavioural biometric authentication and threat detection)”技術を利用して、銀行やeコマースにおけるオンライン犯罪を未然に防止する。

本日(米国時間6/17)同社は、OurCrowdとBlumberg CapitalによるシリーズAのラウンドで1000万ドルの資金調達を完了した。新たな資金は、テルアビブに本社のあるBioCatch社の研究開発体制の強化と、北米、ヨーロッパ、ブラジルなど同社の主要市場における成長努力に充てられる。

BioCatchはeコマースサイトや銀行サイトの一人のユーザにつき、“400あまりの生物行動学的、認知学的、および心理学的なパラメータ”を集めて、ユニークな(他との重複のない)プロフィールを作る。そしてそれを見て、危険なトランザクションを減らし、サイバー危機を防止する。それらの危機とは、アカウントの乗っ取り、マン・イン・ザ・ブラウザ、マルウェア、リモートアクセス攻撃などだ。 BioCatchが駆使する犯行予知技術は調査対象者に気づかれることなく、犯罪者に特有の行動パターンを同定する。

そこでは、同社独自の“不可視のチャレンジ(invisible challenges)”と呼ばれる技法も駆使される。それはユーザがサイトと対話するとき、トランザクションのセットアップ時などには一瞬、マウスカーソルが消える(見えなくなる)ことがある。この短い不可視の時間帯において、ユーザが何をするか、マウスをどう操作するかから、未来においてこのユーザを特定できる一定のプロフィールが得られる。BioCatchはいわば最後の防衛ラインであり、そのほかの認証技術や犯罪発見技術を置き換えるものではなくて、サイバー犯罪を未然に防ぐことに挑戦するのだ。

昨年は、同社の技術が、6か国計8つの銀行やeコマースサイトや大企業サイトに搭載された。同社の競合他社としては、EMCが買収したRSAや、IBMが買収したTrusteerなどが挙げられる。今回のシリーズAの前には、同社は2011年に400万ドルを調達している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


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TechCrunch Japan

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