銃撃や爆破予告、暴力行為を警告するTikTok上の噂で米国各地で学校閉鎖・警戒

TikTok(ティックトック)をはじめとするソーシャルプラットフォーム上で、米国時間12月17日に米国各地の学校が暴力の脅威に直面していることを示唆する、不吉で具体性のない噂が拡散した。多くの学校がこの動きに対応して学校を閉鎖したが、多くの地域の警察機関と少なくとも1つの連邦法執行機関が、この脅威には裏づけがないと発表している。

米国土安全保障省(DHS)は、学校に対する脅威の可能性について報告を受けたことを認識しているが、「具体的で確かな脅威」は見つからなかったと述べている。しかし、同省は「地域社会が警戒を怠らないように」と呼びかけている。

TikTokは16日にこの噂を初めて取り上げ、同社は法執行機関と連絡を取り合っているが「そのような脅迫がTikTokを介して発生したり拡散した証拠は見つかっていない」と述べた。脅迫自体はTikTokに見当たらないのは事実だが、12月17日に暴力行為が行われる可能性があるという恐怖心を煽る投稿が多く見られ、それらの噂が全国的に急速に広まったと思われる。

関連するTikTokのハッシュタグには「I luv you guys pls stay safe on Dec 17(みんな愛してる、どうか12月17日には安全でいてね)」と書かれていた。コメント欄には、この動画の制作者が「(状況を知らず)混乱している人へ、12月17日に米国各地の学校で銃撃や爆破の脅迫があって、私の学校は2回も脅迫されました」と説明している。フォロワーからは、自分の学校で最近起こった爆破予告の話が続々と寄せられた。

TikTokは17日の朝にこの状況を再確認し、FBIやDHSと連携しても、噂の発端となるような信頼性の高い脅迫を突きとめることはできなかったと述べた。

米国各地の学区や警察は、この噂を受けて注意を促す一方で、具体的な脅威が表面化していないことを強調した。フロリダ州リー郡の保安官は、自らもTikTokの動画で、米国の多くの学校が頻繁に受けている爆破予告のような「偽の脅し」をやめるよう呼びかけた。

イリノイ州グレンビュー市の警察は16日、このようにツイートした。「この脅威がイリノイ州の学校に関連しているという信憑性のある情報はありません。グレンビュー警察は、毎日、すべての学校の敷地をパトロールしており、今後もそれを続けていきます。みなさまには、引き続き警戒していただき、不審な行動を報告していただくようお願いいたします」

噂の真偽は定かではないが、カリフォルニア州テキサス州ミネソタ州コネチカット州など、多くの州で17日に学校が閉鎖された。開校した学区では、用心のためにリュックサックを家に置いておくように指示したところもあった。

全米の地方自治体および連邦政府の法執行機関は、引き続き事態を監視している。

画像クレジット:AaronP/Bauer-Griffin/GC Images / Getty Images

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Aya Nakazato)

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TechCrunch Japan

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