開発中止になったAirPower、99ドルの類似品なら今すぐ手に入る

Apple(アップル)のAirPowerと、よく似たコピー商品AirUnleashed(エアーアンリーシュド)の間には、いつくか決定的な違いがある。最も顕著な違いは、2つのうち1つだけが実際に購入可能であることだ。

アップルはしばらく沈黙を続けたあと、今年3月にAirPowerの幻影を捨て、「(同社の)高い水準を維持」できなかったためだったと理由を述べた。それ以上の情報はほとんど明らかにされていないが、多くの報道は、高密度に実装された充電コイルが製品の過熱を招く可能性があるという技術的問題だろうとした。

当然のように多くの会社が、独自のノーブランド製品を計画していたが、アップルが発売前にこの製品カテゴリーから撤退したことで、ワイヤレス充電器市場にぽっかりとAirPowerサイズの穴が開き、市場にはその穴を埋めるべく数多くの製品が待機している。

AirUnleashedのアプローチはかなり見境がなく、クパチーノのデザイン部門から少なからぬヒントを得たミニマリストデザインの白いケースを作った。フォームファクターはAirPowerと同じ楕円形だが、色はオフホワイト(クリーム色?アイボリー?)だ。

本体上には2つの「+」シンボルが小さな円形のくぼみの中に書かれている。製品デザイナーは3つのアップル製品(iPhone、Apple Watch、AirPods)のそれぞれに専用の位置を指定している。AirPowerでは数多くの充電コイルがオーバーラップしていたと言われているが、この製品のコイルは3つでデバイスごとにワット数が異なる(それぞれ7.5W、2W、5W)。

ある程度は置き換えが可能だが、さまざまな理由により各デバイス向けのワット数を利用するのがいい。それでも本機はQi標準に沿っているため、かなり広範囲のワイヤレス機器に対応している。

iPhoneとAirPods 2は、いずれも台に載せた直後に充電を開始した。Apple Watchはだめだった。メーカーに問い合わせたところ、最新のwatchOSにアップデートする必要があり、それで問題は解決した。コイルが3つしかないため、デバイスは正しい位置に置く必要があり、Apple WatchはOSをアップデートしたあとも、正確なスポットを見つけるのに苦労した。

99ドルという価格は、噂されていたAirPowerより50ドル安い。なぜかこの価格には充電アダプターが含まれておらず、AirUnleashed製品を買うとさらに14ドルかかる。もっとも、そもそもアップルの模造品を買おうという人がそうする理由は見当たらない。

ざっとAmazonを見たところ、他のAirPower風充電器は何分の1からの価格で売られており、いずれも同じ3コイルを使っているようだった。それらを保証することはできないが、少なくともAirUnleashedについては、数時間試してみた範囲ではある程度使えている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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