電気錠や⾃動ドア対応のスマートロック「Akerun コントローラー」が発表、入退室履歴のクラウド化促進へ

後付型スマートロック「Akerun Pro」を開発するフォトシンスは5月27日、既設の電気錠や⾃動ドアに対応したドア⼀体型のスマートロック「Akerun コントローラー」を発表した。

これまでAkerun Proが合わなかったような企業の鍵(錠前)についてもクラウド化することで、同社の入退室管理システムをさらに普及させるのが狙い。大企業を中心にオフィスの労働時間の適正把握や働き方改革の促進をサポートしていきたいという。

新プロダクトのAkerun コントローラーは6月1日より法人向けに提供する計画だ。

スマートロック活用の「入退室管理システム」は3000社以上が導入

1年ほど前にフォトシンスが約10億円を調達した際にも紹介した通り、現在同社は「スマートロックを売る会社」から、それを軸とした「入退室管理ソリューションを提供する会社」へと進化している。

主力サービスの「Akerun入退室管理システム」ではスマートロックを活用して鍵の権限付与や入退室履歴の確認をクラウド上で簡単にできる体制を整備。勤怠管理への活用、鍵管理の自動化といった用途を中心に中小企業やシェアオフィスなどからの引き合いが増え、導入社数は3000社を超えた。

2017年6月施工の個人情報保護法の改正により個人情報を取り扱う全事業所の入退室管理が義務化されたことに加え、直近では4月1日に施行された働き方改革関連法案で「労働時間の適正把握」が義務化されたことがフォトシンスにとっては追い風になっているようだ。

入退室管理の記録や勤怠情報をエビデンスが取れる形でしっかりと残したいというニーズから、問い合わせが増加しているという。

ドア一体型の入退室管理システムで大企業のニーズにも対応へ

フォトシンス代表取締役社長兼CEOの河瀬航大氏の話では「クラウドで鍵の管理をしたいという声や、入退室履歴を勤怠管理にも使いたいという声は、中小企業だけでなく大企業からも寄せられている」そう。

ただ、多くの大企業はセキュリティの観点から、すでにオンプレミス型の入退室管理システムと電気錠を導入しているケースがほとんど。そのためこれまでフォトシンスが展開してきた後付型のAkerun Proを用いることができず、“機会損失”のような状況が生まれていたのだという。

その状況を打破するために同社が開発したのが、ドア⼀体型のスマートロックであるAkerun コントローラーだ。このプロダクトは錠前メーカーから発売されている既設の電気錠や自動ドアなどを直接制御し、Akerun入退室管理システムを通じてクラウド上で管理できるようにする。

使える機能は従来と基本的に変わらず、料金体系についても月定額のSaaSモデルで提供する(ただし最初に工事費用が必要となる)。

「インターネットに繋がることで、瞬間的に鍵を発行したり、鍵の権限を細かく調整したりといったことがブラウザ上で簡単にできるようになる。今まで活かしきれていなかった入退室管理データを有効活用できるのも特徴。勤怠管理のサマリをリアルタイムで把握したい際にも使える」(河瀬氏)

Akerun Proが50人未満の規模のオフィスを主な対象とすることに対して、AkerunコントローラーはNFCカードの登録上限を1万枚まで拡大し、数百名規模のオフィスや複数拠点を持つ大企業の利用を見込む。

電気錠制御盤の機能を有していることから、施錠・解錠操作することに加えてドアや錠の状態を把握することも可能。その他、火災報知器などの信号を受けて瞬時に解錠するシステム(非常時開放システム)に対応するなど、ビルの防災設備としての機能も搭載しているという。

すでに一部の企業には試験的にβ版を利用してもらっているそうで、今の所は好評とのことだ。

「理論上、これで全ての錠前がインターネットに繋がることが可能になった。自分たちとしてはキャッシュレス社会におけるポスレジやクレジットカード端末を作るような感覚で、Akerun ProやAkerunコントローラーを開発している。キャッシュレスの次はキーレス社会の波がくると思っているので、この仕組みをしっかりと広げていきたい」(河瀬氏)

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TechCrunch Japan

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