電話利用のシンプル決済から店舗行列受付システムまで、TC Tokyoハッカソン優秀作をご紹介

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今年もTechCrunch Japanでは11月15日、16日の2日間にわたって、東京・お台場のコワーキングスペースMONOでハッカソンを開催した。今回は84名が参加、グループ参加または1人での参加「ぼっちソン」で合わせて37チーム、37個のプロダクトが生まれた。その中から優秀作品として選ばれた5チームには、TechCrunch Tokyo 2015のイベントで5分間のライトニングトークを披露してもらった。

それでは当日のハッカソンの模様と、優秀作品5作品を紹介しよう。

「まずはスマホを裏返してください」

われわれのハッカソンでは、ハック開始の前に、紙とペンを使って、実際に手を動かしてアイスブレイクしてもらうのが恒例となっている。このアイスブレイクはチーム編成のきっかけでもある。去年のお題は「ドラえもんのひみつ道具を一筆書きで書く」だった。今年のお題はというと、「隣の人が知らないアプリを書く」だ。いきなり司会者から「スマホを裏返してください」と言われた参加者からは「ええ?」との声が聞こえてきた。日頃からアプリを研究しているエンジニアたちにとってはある意味難しいお題だったかもしれない。

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なんのアプリかみなさんはお分かりだろうか?

緊張がほぐれたところで、テーマ発表。

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テーマは特になし。強いて言えば、TechCrunchに掲載されそうなもの。10種類を超える提供APIの中から1つ以上を使っていれば、あとは自由だ。なんだかモヤっとしたお題。どんなプロダクトができるのか。

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2日間のハックが始まった。

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APIの説明を聞きに来る参加者たち

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そして夜。

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黙々と作業を進める。
ハックはこの後も夜を徹して行われた。今年は3分の1を超える人が泊まり込みでハックを続けた。

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朝方に見かけるこんな光景も、もう毎年のことだ。

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最後の追い込み。雰囲気がピリピリしてくる。
発表では、Pepperがうまく反応してくれず、プロダクトの発表うまくできなかったチームや、使用した外部サービスがメンテナンスに入ってしまったチームがあったりと、ハプニングもあったが、1時間半も予定時間を超えて全プロダクトがお披露目された。

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ひとことで感想を言えば、個性的で、完成度が高い。今すぐリリースしてもいいのではないか、と審査員から感想が出たプロダクトもあった。そんな37個の中から優秀作品に選ばれた5作品を紹介する。

1.Nomadify(ノマディファイ)

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Nomadifyは電話番号を使って、店舗などで待ち行列に登録できるアプリだ。レストランなどでよく見る紙のウェイティングリストの代わりに、オンラインでウェイティングリストに名前を記入しておくことができる。自分の番が近くづくと、登録した電話番号にシステムから電話がかかってくる。リストは公開されているので、自由に書き込み・削除ができる。自分の電話番号を使っているので、他の人に勝手に名前を削除されたり、割り込みされたりということがない。自分の番が来て電話が鳴るまで、店舗の受付から離れることができる。 一般的な受付システムだと、まずユーザー登録ということも少なくないが、そうした面倒がない。

2.PayCall(ペイコール)

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PayCallはECサイトなどで電話を使って簡単に決済ができるようにするサービスだ。ECサイトの購入画面などに表示された電話番号に自分の電話から発信すると、事前に登録してある個人情報がECサイト側に渡って決済も完了する。電話番号を認証として利用しているということだ。Webブラウザの購入画面などでセッションが切れたりして、面倒な個人情報の入力を何度も行わなければならないのを面倒に感じた経験から、このサービスを思いついたという。

3. kitayon(キタヨン)

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トレタのエンジニアチーム・風呂グラマーズが「遊び」で、「真面目に」作った、オフィス向け受付アプリ。オフィス訪問者は前もって招待コードを発行してもらう。来社時に招待コードをiPadに入力すると、招待者のSlackなどに通知がいく仕組みだ。似たようなサービスには米国スタートアップのEnvoyがあるが、Envoyが使いにくかったことから自分たちで作ろうということになったそうだ。kitayonはすでに6社の導入が決定したという。

4.Inc(インク)

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インディーズのアーティストとお店とをつなぐプラットフォーム。インディーズとして活動するアーティストは自分の音楽を公開したり、グッズ販売をすることができ、他方、お店の人は店舗で流す音楽を探すことができる。お店の人は自分で作ったプレイリストを公開することで利益を得ることもできる。アーティストとアーティストを探して紹介する人、双方にメリットが生まれるプラットフォームだ。

5.RTNope-D(アールティーノープディー)

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音声認識を使ったメモアプリ。かなり速い速度で喋っても単語を拾ってくれる。そこから関連する単語を表示させたり、画像を検索したり、関連キーワードを検索することもできる。商品名が出て来れば、そこから買い物だって可能だ。製作者は、もともとは医療現場で医師と患者がコミュニケーションを取る場面を想定して作ってみた、とのこと。機能がシンプルな分、使い方を広く考えられるプロダクトだ。

われわれはTechCrunch Japanとして、ハッカソンを開催する明確な5つの理由があった。理由の1つとして「エンジニアリングをバックグラウンドに持つ人たちに、起業やスタートアップのカルチャーに触れる機会を提供したい」としていたのだが、実際にハッカソンで優秀作を生み出した人たちはTechCrunch Tokyoのイベント開催中、会場でほかの起業家や投資家と話をするなど交流していただけたのではないかと思う。また来年も、多くのエンジニアの皆さんがハッカソンに参加してくださることを楽しみにしている。

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。