韓国の現代自動車と起亜自動車が電動配達車両開発の英スタートアップに約121億円を投資

一般消費者向けの電動車両はおいておこう。配達車両が間もなく展開される電動車両にとって「トロイの木馬」になるかもしれない。

韓国の大手自動車メーカー現代自動車と起亜自動車が英国拠点のスタートアップであるArrivalに1億1000万ドル(約121億円)超を注入する。Arrivalはどちらかというとステルスモードで登場した。「この投資でArrivalのバリュエーションは30億ユーロ(約3680億円)と、英国で最も価値あるスタートアップの1つになった」とArrivalの広報は述べた。CB insightsの最新の調査によると、Arrivalを上回るバリュエーションのスタートアップは英国に5社しかない。

創業5年のロンドン拠点のスタートアップはドイツ、米国、ロシアを含む5カ国に従業員800人を抱えるが、これまで表立った動きは見せてこなかった。

Arrivalが目指しているのは、化石燃料で走る従来の車両と同程度のコストで電動車両を製造することだ。ただしそれは、メジャーな都市に近い「マイクロ工場」を使って製造することでコストを大幅に抑制するという方法による。

同社のモジュラー「スケートボード」プラットフォームは、1つのシステムでさまざまなモデルの製造を可能にする。プロトタイプはすでにDHLやUPS、Royal Mailといった大手配達会社によるトライアルに加わっている。

現代自動車会長兼イノベーション責任者のYoungcho Chi(ヨンチョウ・チ)氏は「今回の投資は現代と起亜が追求しているイノベーション戦略の一部だ」と声明文で述べた。

現代自動車は自動運転と電気自動車に350億ドル(約3兆8560億円)を投資するとしている。

昨年、現代自動車は自動運転テクノロジーと電動車両の開発に350億ドルを注入すると発表した。その一環として、2025年までに23種の電動車両をリリースしたい考えだ。先週、現代自動車はラスベガスで開催されたCESでUberと共に空飛ぶタクシーのコンセプトを発表した。

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(翻訳:Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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