音声認識技術のフェアリーデバイセズ、Amazon Echoとそっくりなスマートスピーカーで市場参入

音声認識・音声対話プラットフォームの「mimi」を提供するフェアリーデバイセズは9月4日、企業向けに提供するホワイトレーベル・スマートスピーカー「Fairy I/O Tumbler(以下、Tumbler)」を発表した。

Fairy I/O Tumbler

Amazon Echoによく似たタンブラー型スマートスピーカーのTumblerは、フェアリーデバイセズが提供するホワイトレーベル・ハードウェア製品群「Fairy I/O」シリーズの第1弾プロダクトだ。

高さ14.5cm、直径7.5cmのTubmlerには音声入出力機能はもちろん、気温、湿度、気圧、照度センサーなどが搭載されている。

一方で、これまでにフェアリーデバイセズが提供してきたmimiは、音声認識システムを構築するために必要なテクノロジーを揃えたソフトウェアスタックだ。マイクアレイ・フロントエンド処理機能を担う「mimi XFE」、音声認識機能の「mimi ASR」、話者識別機能の「mimi SRS」などから構成されている。

mimiはこれまでにシャープが販売するロボット家電「COCOROBO」に搭載されるなどの実績があり、同社のリリースによれば、これまでにmimiを搭載した製品は累計で180万台に到達したという。

同社が今回発表したTumblerは、mimiの性能を最大限に発揮することを目的として開発されたデバイスだという。

必要なものを取捨選択

Tumblerに加え、フェアリーデバイセズはオープンな理念をもった技術的スタックの「Fairy Cognitive Technology Open Stack(以下、CTOS)」を発表している。

ソフトウェアのmimiとハードウェアのFairy I/Oを含んだ技術スタックであるCTOSを利用することにより、音声認識システムの開発者は、システムの開発に必要とされる各要素技術にアクセスすることができるだけでなく、必要なものとそうでないものを取捨選択しながら自社の技術も織り交ぜるというようなシステム開発が可能になる。

また、フェアリーデバイセズが提携する外部パートナーが保有する技術も利用可能だ。現在、CTOSではエーアイが開発する多言語音声合成技術を利用することができる。

CTOSの概要図

フェアリーデバイセズ代表取締役の藤野真人氏はリリースの中で、「大手IT各社が、スマートスピーカー製品を中心としたエコシステムを拡大している。しかし、それらのエコシステムに加わった場合、強い技術的制約を受けるため、真に目的とする音声対話システムを作ることは、ほぼできないと言っても過言ではない」と語り、そのような制約から開放された枠組みを提供することで、新しい価値を生み出すことができると話している。

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TechCrunch Japan

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