音楽の使用権を取引できるマーケットプレイスAudiostockが6.7億円調達、登録クリエイター2万組・取り扱い音源数70万点超

音楽の使用ライセンスを売買できる、ロイヤリティフリーのストックミュージックサービス「Audiostock」(オーディオストック)を運営するオーディオストックは11月24日、シリーズCラウンドにおいて、第三者割当増資による約6億7000万円の資金調達を発表した。引受先は、リードインベスターの米Susquehanna International Group(SIG)、新規株主のセレス、ベクトル、既存株主の日本ベンチャーキャピタル、中国銀行グループ、HBCC Technology Investment。創業からの累計調達額は約11億円となった。

2007年10月設立のオーディオストックは、音楽クリエイターの音楽作品を預かり、Audiostockを通して販売・配信を行うプラットフォーム事業を展開。登録クリエイターは2万組、取り扱い音源数は70万点以上と世界最大の楽曲数を誇るという。

同サービスでは、音楽クリエイターは自身で制作した音楽を登録して使用権を販売でき、売上に応じた印税を受け取れる。顧客は、単品購入・サブスクリプション方式で購入手続きを行うだけで音楽の利用許諾を得ることができ、映像・ゲーム・アプリ・広告・SNS投稿動画などの商用コンテンツに音楽を組み込める。契約から印税分配まですべてオンライン上で完結させることで、適切な収益を得られる環境を構築し、音楽作品を生み出す方々を支援している。

2019年より開始した定額制プランの利用者数が伸長し、日本の音楽コンテンツの海外需要も高いことから、さらなる国内外でのシェアの拡大を目指し、システム開発費や広告宣伝費などを強化する目的で資金調達を実施したという。これまでに同社は、2018年3月にシリーズAラウンドにて2億6200万円、2020年6月にシリーズBラウンドで1億2000万円の資金調達を行っている。

調達した資金の使途としては「国内外の新規顧客獲得のための広告宣伝費用」「Audiostockシステム強化のための開発費用」「良質な音楽コンテンツ獲得・制作のための費用」を挙げている。

国内外の新規顧客獲得のための広告宣伝費用

同社は、国内向けの新たな定額制プランとして、法人・個人の区分けをなくし使用シーンや人数に合わせて選択できるプランを11月1日から開始。これにより用途ごとに使いやすいサービス環境を整えているが、クリエイターにとって良質な音楽コンテンツのプラットフォームであることを知ってもらうため、動画マーケティングなどを行い認知拡大を図る。

また海外では、ストックミュージックサービス市場の高まりを受けて、類似企業が数百億円などの巨額な資金調達を果たすなども動きもある中で、Audiostockは和楽器を使った楽曲やアニメゲームの映像に合うものなど、日本ならではのコンテンツ需要がアジア圏を中心に高いため、今後海外向け定額制プランも提供する予定。海外シェア拡大のためにマーケティングを強化する。

Audiostockシステム強化のための開発費用

Audiostockは、取り扱う音源数70万点以上となる一方で、ユーザーが求める音源にどのように出会えるかという点においてシステムに対する課題やユーザーの意見があるそうだ。より良い環境を作るためにAIなどのテクノロジーを活用するなど、ユーザーの利便性を高めるアップデートを目指し、システムの強化を予定している。さらに、海外向けの定額制プランのシステム開発を行う。

良質な音楽コンテンツ獲得・制作のための費用

同社は、プロの奏者によるスタジオで生演奏の収録をしており、高品質な生演奏BGMは人気コンテンツの1つとなっていることから、今後はレコーディングコンテンツの拡充を行う。また、著名人の音楽コンテンツの販売も視野に入れており、エンターテインメント性の高い著名人のコンテンツを積極的に配信する取り組みは業界的にも珍しいため、ユーザーに他にない良質なコンテンツを届けられるよう、準備する。

投稿者:

TechCrunch Japan

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