食べられるバーコードを開発するTruTagが約8億円調達

TruTag Technologies(トゥルータグ・テクノロジーズ)は、微小な「食べられる」バーコードを開発している。医薬品、食品、電子たばこなどの製品認証に使う。同社はPangaea VenturesとHappiness CapitalがリードしたシリーズCで750万ドル(約8億円)を調達した。資金はテクノロジーの商業化と新しいソリューションの開発に使う。

以前のラウンドと合わせてTruTagの調達総額は2500万ドル(約27億円)になった。クライアントの1つであるPwCは、TruTagのテクノロジーをFood Trust Platformで利用している。Food Trust PlatformはPwCが運営するオーストラリアから輸出する牛肉の品質保証プログラムだ。

TruTag粒子の高倍率画像。1つ1つが食べられる「チップ」で、それぞれが製品の認証に使われる

TruTagsと名付けれれた同社の小さなバーコードは、ナノポーラスシリカを使っている。米食品医薬品局(FDA)から一般に安全と認められている「GRAS「通知があった素材だ。製品またはパッケージに直接印字して供給および物流チェーンを通じて追跡できる。

TruTagはハイパースペクトルイメージングテクノロジーを使用しており、ほかのイメージング方法よりもはるかに多くの波長を処理でき、画像からより正確で詳細なデータを収集できる。バーコードをスキャンすると、製品の製造場所、ロット番号、正規代理店、安全な使用方法に関する情報が得られる。

バージニア大学で材料工学の博士号を取得したTruTagのCEOであるMichael Bartholomeusz(マイケル・バーソロメス)氏はTechCrunchに対し、同社の成長機会がある業界としてブラックマーケットやグレーマーケットで偽造製品が出回る医薬品、栄養補助食品、大麻を挙げた。

TruTagsのテクノロジーのコンセプト写真

「TruTagsの材料はFDA承認済みの錠剤の賦形剤(医薬品の成形の向上に使われる添加剤)だ。医薬品と食品はグローバルな偽造問題の非常に大きな部分を占めている。TruTagのソリューションの特徴である独自の食用性が弊社の重点領域だ」とバーソロメス氏は説明した。

この技術で、例えば電子たばこシステムをロックし、本物のポッドでのみ動作するようにして、市場での偽造ポッドの数を減らすことができる。バーソロメス氏は、TruTagsがCBD(大麻の有効成分)の市場にも近々進出すると述べた。

製品に直接印字が可能であること、口に入れられること、1〜5秒で認証できることがTruTagsがほかの方法とは異なる点だ。バーソロメス氏は、他社の品質保証技術には特殊な記号、インク、ホログラムが含まれているが、これらの製品の多くには高品質のプリンターを必要としたり、消費者の認識能力に依存するという欠点があると指摘する。

先端材料技術へ投資するPangeaのテクノロジーディレクターであるMatthew Cohen(マシュー・コーエン)氏は「PangeaはTruTagとの提携を通して、チームと製品ポートフォリオの拡大に貢献できることをうれしく思う。TruTagの食用バーコード技術は、消費者の信頼を高め、究極的には命を救うのに役立つと考えている。TruTagは、説得力のある高度な材料と材料プロセスの革新によって、増加する薬物の偽造問題などに対処し、世界をより良くしていく」と述べた。

画像クレジット:Brian Pieters / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi)

投稿者:

TechCrunch Japan

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