飲食店と厳選農家をつなぐ食材コンシェルジュ「食べチョクPro」がローンチ

オーガニック農家と消費者をつなぐC2Cマーケットプレイス「食べチョク」を運営するビビットガーデン。同社はこれまで培ったネットワークや基盤を活用して、11月13日より飲食店向けの新サービス「食べチョクPro」を始める。

食べチョクProは飲食店からの要望に合わせて適切な農家を提案する、コンシェルジュ型の仕入れサービスだ。特徴は要望を伝えるだけで簡単に“農家直送”のこだわり食材を手に入れられること。飲食店の担当者は自らサイト上で生産者や食材を探す手間なくスムーズに仕入れができる。

飲食店が生産者から直接仕入れをできるサービス自体は以前紹介したプラネットテーブルの「SEND」などいくつか存在するけれど、まだコンシェルジュ型のサービスは多くない。ビビッドガーデン代表取締役CEOの秋元里奈氏いわく食べチョクProは「コンシェルジュが買い付け代行をするようなイメージに近い」そうで、「サラダに使えそうな野菜が欲しい」といったアバウトな注文にも対応できるのがウリだという。

食べチョクProには食べチョク同様に厳選されたオーガニック農家が参画(Proでは一部オーガニック以外の食材にも対応するとのこと)。農家直送であるからこそ、少量しか生産していない珍しい食材も並ぶ。

秋元氏によると、これまでは飲食店がこだわりの食材を産地直送で仕入れようと思った場合、自ら農家を見つけてきて直接やりとりすることも多かったそう。その際に農家側が急に出荷できなくなってしまうリスクがあったり、仕入れに関するコミュニケーションに毎回がかかったり、いくつかネックがあった。

食べチョクProの場合は運営が双方の間に入り、一連のフローを円滑に進めて“ギャップ”を解消する役割も担う。

サービスの流れとしてはまず飲食店が食材のリクエストを送る。その要望に基づいてコンシェルジュから農家と食材が提案されるので、あとは買いたい食材と個数を選択するだけ。注文後に農家からお店へ食材が直送され、決済フローに沿って代金を支払う。

もともと食べチョクでは2018年2月より一般消費者向けに「食べチョクコンシェルジュ」を提供している。このサービスが好調で翌月の継続率も95%と高いこともあり、今回の食べチョクProはこの食べチョクコンシェルジュの仕組みを飲食店向けに改良して提供する。

これまでは特に一般消費者向けと飲食店向けとで区別することなくサービスを展開していたため、実は現時点でも数十件の飲食店が食べチョクを通じてオーガニック農作物を仕入れている状況。すでに月間で25万円の注文が入るような飲食店もあるという。

主に「こだわりの食材を扱っている単価が高めの飲食店」「サラダバーなどをウリにしているオーガニックカフェ」「ジュース専門店」などで利用されていて、今後も利用店舗の拡大が見込めるそう。それも踏まえて飲食店向けにサービスを切り出し、システムも活用しながらニーズに合った形で農家とのマッチングを促進することを選択した。

2~3ヶ月ほど前からはLINE@を活用したスモールテストも実施。結果的には自分たちが当初想定していたよりも幅広い飲食店で使ってもらえそうな感触を得たそうで、今回のローンチを機にさらにサービスを拡大していく方針だ。

コンシェルジュの部分に関しては人力の要素も多いが、ゆくゆくは機械的にレコメンドする仕組みを検討中とのこと。人がサポートする場合は別プランにするなどの計画もあるという。

TechCrunchで食べチョクを紹介するのは同社が資金調達をした2月以来、約半年ぶり。現在食べチョクに登録する農家は約200軒まで増加している。この半年は継続率や月の購入頻度を高めるための施策に取り組んできた中で、ユーザー当たりの月間購入頻度も1.1回から約2回にまで成長しているようだ。

今回の食べチョクProは飲食店にとっての使い勝手を向上するためだけでなく、飲食店に購入してもらえる仕組みができることで、より多くの農家が参画してくることも見込んだ取り組み。秋元氏も「相乗効果が見込める。飲食店のニーズに応えるのはもちろん、C向けのサービスを加速させるためのB向けサービスでもある」と話す。

まずは1年後、2000店舗に使われることがひとつの目標。飲食店とのマッチングを通じて、農家のさらなる販路拡大を支援していきたいという。

投稿者:

TechCrunch Japan

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