飲食店予約代行アプリにリニューアルした「ペコッター」が1億円を調達

グルメコンシェルジュサービス「ペコッター」を運営するブライトテーブルは2月8日、ジェネシア・ベンチャーズ、AGキャピタル株式会社、Das Capital、アコード・ベンチャーズを引受先とする第三者割当増資により、総額約1億円を調達したことを明らかにした。

ブライトテーブルは前回のラウンド(2015年11月から2016年1月にかけて)でインキュベイトファンドやiSGインベストメントワークスなどから資金調達をしていて、今回までの累計調達額は約2億円になる。

2015年3月に飲食店探しをサポートするグルメQ&Aサービスとして始まったペコッター。希望する飲食店の条件を投稿すると、ほかのユーザーが条件に合う飲食店をチャット形式で教えてくれるという仕組みだった。

同年11月からはチャットによるレストラン予約代行サービス「ペコッター予約」を開始。サービス開始からこれまでで約14万件の飲食店探し、約5万件の予約代行をしてきた。

その中で現在も飲食店は電話予約が主流になっている一方で、ユーザーからはオンライン予約のニーズも高まってきている背景のもと、予約代行機能にフォーカスする形でアプリのリニューアルを実施したという(ただSNSの反応などを見る限り、リニューアル前のペコッターが好きだったというユーザーも少なくないようだ)。

今後は予約管理台帳との連携や音声による予約の自動化など、店舗予約のオートメーション化を進める予定。加えてサービス内に蓄積される予約履歴のデータを活用したAIエンジン「Zeus」の精度向上を図り、ユーザーに合ったお店をレコメンドできるグルメ予約代行サービスを目指していく。

【16時更新】ブライトテーブル代表取締役社長の松下勇作氏に、リニューアルの背景や今後の展望について話を聞けたので追記する。

松下氏によると今回のリニューアルは「ペコッターでお店の予約ができる」ことを知らないユーザーが一定数いたことが背景にあるという。

「お店探しコミュニティではなくグルメのコンシェルジュとして、自分にあったお店探しから実際に予約するまでをサポートできるサービスを目指している。従来は予約代行機能がQ&Aの影に隠れる形になってしまって、なかなか認知されなかった」(松下氏)

ユーザーがお店に行くことを考えると、お店探しと予約は切り離せないもの。ペコッターで予約代行を依頼するユーザーはすでに情報収集が終わり、行きたいお店が決まっているケースも多いため、まずは予約代行に絞る形でリニューアルをした。

現時点でMAUなどの変化はあまりないが、Q&Aをなくしたことで今後多少の減少は想定しているそう。ただ1ヶ月の予約代行数については、リニューアル後1.5倍近くに増えているという。

上述した通り、ペコッターが見据えているのはお店探しから予約までをカバーする、グルメのコンシェルジュ。今後はユーザーに合った店舗のレコメンド機能も搭載する予定だが、そのためには基となるデータが必要だ。

「現在は予約の履歴を蓄積することによって、レコメンドの精度をあげる準備をしている段階。これまで予約電話代行をしてきたことで、オンライン予約ができないような店舗の予約履歴までたまっているのがペコッターの特徴だ」(松下氏)

今回の調達は主に人材採用が目的。特にレコメンドエンジンなどの開発体制を強化し、「グルメのことならペコッターに相談したい」と思われるサービスを目指すという。

ちなみに、僕の周りにはリニューアル前のペコッターが好きだったという人もいた。

正直なところリニューアルした際の反響はどうだったのか、松下氏に聞いてみたところ「『Q&Aがなくなった、どうしてくれるんだー』という声と、『これまでも予約代行のパシリと思って使っていたから正しい決定だよね』という声が半分半分くらいだった」そうだ。

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TechCrunch Japan

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