香港のグローバルアクセラレーターBrincがシリーズBで約34.2億円を調達、日韓印・シンガポールにも拡大検討

ここ数回、香港に行った際にBrincの本部を訪れる機会があったが、このアクセラレーターが扱うスタートアップの幅広さに驚かされた。私は、主にコンシューマー向けハードウェア企業を通してこの組織のことを知っていたからである。2014年に設立されたときには、その分野を主な焦点としていた。

Brincはその後、食品、健康、ディープテックなどに大きな焦点を当て、活動の範囲をかなり拡大した。Web3やNFTのようなカテゴリを視野に入れ、今後も範囲を広げていくという。香港に拠点を置くAnimoca Brandsは、この動きで大きな役割を果たしているようだ。2020年、両社はブロックチェーン / NFTアクセラレーターのLaunchpad Lunaを立ち上げた。

Animocaはまた、Brincの3000万ドル(約34億2000万円)のシリーズBラウンドを主導しており、同アクセラレーターはこの資金で提供プログラムの拡大、拠点の追加、従業員の追加雇用を予定している。Brincの共同創業者であるBay McLaughlin(ベイ・マクラフリン)氏は、TechCrunchとの電話インタビューで日本、韓国、シンガポール、インドを含むアジアの多くの市場を潜在的拡大のターゲットとして挙げ、さらに中国での存在感を高めることを目指していると明らかにした。

また、11月にはラテンアメリカで初となるブラジル事務所を開設するとのこと。現在、Brincは7つのオフィスを持ち、合計12拠点でスタッフが働いている。

Animocaは、シリーズBへの参加に加え、Brincを通じて、VCファンドのような形でスタートアップ企業に1億ドル(約113億9000万円)を直接投資する予定だ。

Animocaの創業者兼会長であるYat Siu(ヤット・シウ)氏は、このニュースに関連したリリースでこう述べている。「Brincは、新興市場と技術のためのスタートアップアクセラレーションの代表的な存在であり、その目標は、未来とサステナビリティをしっかりと見据えています。我々は、伝統的な分野と成長分野でのブロックチェーン導入によるオープンな未来という共通のビジョンを持っており、そのアクセラレーションプログラムから生まれるイノベーションに期待しています」。

画像クレジット:Brinc

原文へ

(文:Brian Heater、翻訳:Aya Nakazato)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。