高級電気自動車メーカーのPolestarが2021年内に販売店舗数の倍増を計画

Polestar(ポールスター)は、年内に9つの新たな市場で販売を開始する予定であり、世界的な存在感を倍増させて電気自動車セダンの販売拡大を目指す。

Volvo Car Group(ボルボ・カー・グループ)傘下の高級電気自動車ブランドであるポールスターは、年末までに販売店の数を100店舗に倍増させ、サービスセンターも増設する予定だと述べている。販売店の中には、期間限定のポップアップストアも含まれる。このスウェーデンの自動車メーカーは現在、販売を展開している市場で650以上の「サービスポイント」と呼ばれるメンテナンス拠点を設けているが、これを2021年末までに780以上に増やしたいと考えている。

ポールスターは2020年に米国、中国、カナダ、ベルギー、ドイツ、イギリス、スウェーデン、オランダ、ノルウェー、スイスで販売を開始した。2021年内にはさらに、オーストリア、デンマーク、フィンランド、オーストラリア、ニュージーランド、香港、韓国、シンガポールへの展開を計画している。

米国内では、オースティン、ベルビュー、ワシントン、ボストン、デトロイト、デンバー、ロサンゼルス、ミネアポリス、ニューヨーク、プリンストン、ニュージャージー、サンフランシスコ、サンノゼ、アリゾナのスコッツデールにサービスセンターと販売店がある。今後は、カリフォルニア州オレンジ郡、ニュージャージー州中部、ノースカロライナ州シャーロット、テキサス州グレープバインにも店舗を開設する予定だ。

この拡大の勢いは今後も衰えることはないようだ。ポールスターのThomas Ingenlath(トーマス・インゲンラート)CEOは声明の中で、同社が2022年に新たな市場でも同様のペースで拡大することを目指していると述べている。「この継続的なペースは、新しい販売店コンセプトと相まって、オーナーの期待を超えるという当社の目標を支えることになるでしょう」と、同氏は付け加えた。

現在、ポールスターの主要製品は、完全な電気自動車である「Polestar 2(ポールスター2)」の1車種のみだ。しかし、今後数年間でさらに車種を増やしていく計画がある。2021年6月には、同社初となるオール電動SUVを米国で生産すると発表した。「Polestar 3(ポールスター3)」と名付けられたこのSUVは、サウスカロライナ州リッジビルにあるVolvo Cars(ボルボ・カーズ)との共有工場で組み立てられる。

ポールスター3は、電気自動車セダンのポールスター2と、ハイブリッド・グランドツアラーの「Polestar 1(ポールスター1)」に続くモデルとして、2022年に世界の複数の地域で生産が始まる予定だ。

ポールスターは規模の拡大に合わせて、顧客を獲得するための新しい方法を模索している。その主な戦略は、販売店を増やし、既存の市場で拡大を続けるとともに、新しい市場に進出することだ。同社は7月26日の発表で「Polestar Destinations(ポールスター・デスティネーションズ)」という新しいコンセプトの販売店も試みていくことを明らかにした。既存の「Polestar Spaces(ポールスター・スペーセズ)」と呼ばれる販売店が、基本的に都市中心部に置かれているのに対し、この新コンセプトの店舗はより規模が大きく、アクセスしやすい都市郊外の場所に設置される。これらのデスティネーションストアは、オンラインで注文・決済された車両を顧客が受け取る納車センターとしても機能する。

同社では2021年末までに60カ所の試乗できる場所も増設し、ポールスター2の実車により触れることができる機会を用意する。

このような事業拡大を支えているのは、ポールスターが4月に行った5億5000万ドル(約606億円)もの外部資金調達だ。この投資ラウンドはChongqing Chengxing Equity Investment Fund Partnership(重慶承興株式投資基金パートナーシップ)、Zibo Financial Holding(淄博ファイナンシャル・ホールディング)、Zibo Hightech Industrial Investment(淄博ハイテク産業投資)が主導し、韓国のグローバルコングロマリットであるSK Inc.をはじめとするさまざまな投資家が参加した。

このラウンドはポールスターにとって初めての外部資金調達ラウンドだったが、同社は当時、これが最後にはなるわけではないことを示唆していた。

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カテゴリー:モビリティ
タグ:Polestar電気自動車Volvo Car

画像クレジット:Geely holdings/Polestar

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

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TechCrunch Japan

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