1対1ビデオトレーニングのLivekickが約3億3000万円を調達

Livekickは、顧客が自宅(またはホテルの部屋など)からワンオンワン(1対1)のパーソナルトレーニングやヨガセッションを利用できるようにするスタートアップだ。このたび300万ドル(約3億3000万円)のシード資金を調達したことを発表した。

同社は起業家ヤルデン・タドマー(Yarden Tadmor)氏とフィットネス専門家のシャイナ・シュミット(Shayna Schmidt)氏によって創業された。タドマー氏が言うには、出張に行くたびに彼のフィットネス習慣が「本当に崩れていた」ので、彼はシュミット氏に連絡して、彼女から遠隔トレーニングを受けることにしたということだ。彼らはFaceTimeを使って接続し、彼は携帯電話を伴ってジムに入って、彼女は彼のワークアウトを見守りつつ指導した。

「私たちはこのやり方でしばらくトレーニングを重ねていたのですが、やがて、このやり方って他の人達にもとても役立つんじゃないのかな、ということに気がついたのです」とタドマー氏は語った。

ということで、ユーザーがLivekickでサインアップを行うと、1回あたり30分のセッションを、1、2、もしくは3回、遠隔トレーナーと行うことができる。トレーナーとの接続はLivekickのiOSアプリか、ウェブサイトを経由する。なお、2週間のトライアルが終わった後の課金は、週32ドルから始まる。ワークアウトはあなたがアクセスできる場所と機器に合わせて個別にカスタマイズされる、そしてトレーナーは、週の他の日のためのワークアウトも割り当ててくれる。

タドマー氏とシュミット氏は、このやり方をPelotonやMirrorのような会社とは違うものだと語った。この2社は新しいエクササイズ機器を家庭に持ち込み、エクササイズクラスも提供するが、個別トレーナーとのワンオンワンセッションは提供していない。タドマー氏によれば、このパーソナライズされたアプローチは、各ユーザーのニーズに上手く調整されるだけではなく、ユーザーのやる気を引き出すためにも効果的だということだ。そしてシュミット氏は、ライブで対話を行うことによって、人々が正しく安全にトレーニングを受けていることも保証されると語った。

Livekick screenshot

またシュミット氏は、これはトレーナーたちのために(特に空き時間を使って)新しい顧客を開拓する方法を提供すると述べた。

「トレーナーたちにとって、通常昼から午後4時までは予約が入らない時間です。もちろん顧客は仕事中なのですからそうなるのは当然です」と彼女は言う。「そこで、私たちはロンドンのトレーナーたちのその昼の空き時間を、朝のニューヨークのユーザーたちのために与えることができるのです。私たちは、彼らのスケジュールを本当に埋めて、さらなる収入を得てもらうようにできるのですよ」。

個人のサブスクリプション以外にも、Livekick for Workという企業向けプログラムも提供される。そしてここではっきりさせておきたいのは、このサービスは特に出張が多い人に特化したものではないということだ。タドマー氏によれば「もしニューヨークに住んでいるならば、フィットネスオプションは沢山ありますが、多くの人たちはニューヨークに住んでいるわけではありません。通常素晴らしいトレーナーとスタジオで出会うためには、長い距離を通わなければなりません。なので私たちがやろうとしていることには、お客様に自宅の快適な環境でトレーニングを行えるようにすることも含まれているのです」。

私たちは最近Futureと呼ばれる同様のサービスの開始をレポートしたが、Livekickが実際に始まったのは昨年の9月である。タドマー氏によればユーザーの平均持続期間は6ヶ月を超えているという。

調達ラウンドはFirstime VCの主導で行われたが、RhodiumとDraper Frontierも投資に参加している。

「エクササイズをアクセスしやすくお値ごろなものにしようとする、先進的なテクノロジーと情熱によって、Livekickは何百万人もの人たちの生活と健康を改善する能力を秘めていると私たちは信じています」と声明の中で語っているのは、Firmtimeのニール・タロフスキー(Nir Tarlovsky)氏だ。

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(翻訳:sako)

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TechCrunch Japan

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