10年後に放射線科医は不要に、サン・マイクロシステムズ共同創業者語る

AIが医療業界に及ぼす影響の可能性について長年発言してきたことを強調するように、シリコンバレーの伝説的投資家でサン・マイクロシステムズ(Sun Microsystems)のファウンダーであるVinod Khosla(ビノッド・コースラ)氏は、「10年後に医療行為を行おうとする放射線科医は、毎日患者を死なせることになるだろう」と語った。なぜなら人工知能を用いたソリューションが進歩して、人間の専門医よりはるかに効果的になるからだ。

米国時間6月12日にカナダのトロントで行われたCreative Destruction Labが主催するSuper Sessionの閉会基調講演で同氏は「放射線医師はもうおしまいだ」とも話し、「仕事であるべきではない」と言い切った。10年後にAIベースの診断技術が進歩すれば、専門医が診断することが患者に死をもたらすようになると語った。

この姿勢は同氏が2017年からこの件について言い続けてきた内容と一致している。当時彼は、ある種の医者は5年以内に「時代遅れ」になるという彼の考えを述べた(その後に期間は延びたようだが、後に同氏は「機械のほうが優れていることを業界や世間が受け入れるまでの時間を含めたためだ」と説明した)。コースラ氏は、腫瘍専門医も分野に特化したちAIソリューションにいずれ抜かされると信じているが、おそらくもう少し時間がかかり15年くらい先になるだろうと付け加えた。

代わりに、人間の一般開業医の価値が高くなりAIソリューションと共存することによって、現在高度なスキルが必要とされている専門的な医療分野で力を発揮できるようになると彼は信じている。このことは、狭い範囲に焦点を絞ったAIのほうが一般的な話題を取り上げる人工知能よりも実現しやすいという一般論とも一致している。

さらに同氏は、腫瘍学は工場労働者の仕事よりも「ずっと自動化しやすい」とも指摘する。なぜなら工場労働者の仕事のほうが「ずっと次元が多い」からだ。

コースラ氏は、社交辞令はもうやめた、なぜなら放射線医学の特定分野では、10年のうちに人間のほうが人工知能より危険になると私は信じているからだと語り、発言に重さを強調した。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook