1000億円企業目前、話題のデートアプリ「Tinder」もTechCrunch Tokyoに来るぞ

11月18日、19日に迫ったTechCrunch Tokyo 2014の講演者を、また1人ご紹介したい。モバイルのオンラインデートアプリ「Tinder」でバイス・プレジデントを務めるロゼッテ・パンバキアン(Rosette Pambakian)氏だ。左の写真にあるように、ロゼッテはそのままTinderのモデルになれそうな風貌の女性で、きっとTinderの戦略だけじゃなくて、実際に彼女の周囲の人々がどうTinderを使っているかも話してくれると思う。

TechCrunch Japanの読者なら、Tinderのことは知っている人も多いだろうし、それなりに使っている人もいるかもしれない。スマホで異性の写真を見て「好み」「好みじゃない」と直感的に右へ左へと写真をスワイプしていくテンポの良いTinderのンターフェイスは、ファッション系アプリや、学習アプリニュースアプリでの模倣もあるぐらい斬新なUIとして広まっている。Tinderは、単に左右スワイプだけでなくて、「ダブルオプトイン方式」というのが新しかった。選ぶ方、選ばれる方の双方が「好み」としたときにだけチャットを始めることができる。

写真だけでデート相手を選ぶなんて、単なる出会い系でしょという批判もあるようだけど、進化心理学的な観点からはとても理にかなっているという意見もある。つまり、ぼくら人間(あるいはサル)は生存競争やメーティング戦略において、きわめて限られた情報を元に最善の判断をしてきたし、実はすごくその能力に長けているということだ。カメラに向かう肩のアングルや表情、周囲に写り込んだモノを見るだけでも、その人となりがだいぶ分かるし、チャットでメッセージを1、2往復もかわせば、それ以上話をしても仕方ないかだって分かるもの。ちなみに、日本では出会い系というといかがわしいニュアンスを帯びるが、米国では新婚の3分の1はその出会いがオンラインで、こうしたカップルの離婚率はオフラインで知り合った夫婦よりも低いという調査もある

Tinderは旅行先で非日常の恋を探すような若者の間で人気になっているという面もあるというが、今や24言語で提供され、約1000万人にも及ぶDAUがある大人気アプリとなっている。2013年には、TechCrunchを含む、GigaOm、VentureBeat、ReadWriteWebなどのテック系メディアが選ぶベストスタートアップ賞のCrunchiesを受賞しているほど注目されてもいる。

ここ1年ほどで東京でもずいぶん利用が増えてきている印象もあるが、まだまだ日本での利用は全然少ないようだ。Facebookで言えば2008年ぐらいの感じだろうか。

そういう状況だから分かりづらいけど、Tinderはアメリカでは「次のユニコーンクラブ会員になる日も近い」「とっくにビリオンは超えている」などと言われ始めている。テック系スタートアップ業界のユニコーンクラブというのは、短期間で時価総額が1000億円(1Bドル)を超えた稀有の成功事例のことで、例えばここに2014年4月の世界のユニコーンクラブ一覧表がある。

Tinderはアクティブ率も高く、デート・アプリとしては高い人気を誇っている。Tinderは、OkCupidやMatch.comといった出会い系サービスのほか、TripAdvisorやExpediaといった旅行系サイトも買収してきたIACという大手ネット企業から出てきたスタートアップ企業で、最近10%のエクイティを買い戻していたりする。このIACの圧力なのか、実は最近Tindert共同創業者のショーン・ラッド氏がCEOから降格となって、代わりとなる「エリック・シュミットのようなCEO」をTinderは探しているのだと伝えられている。現在進行形の話なのでTechCrunchの記事でも推測の部分が多いが、IACが「ユニコーン」を、ビジネス面での実績のない若いCEOに任せておけなかったのではないかとTechCrunch共同編集長のアレクシアは書いている。

Tinderは11月6日に有料版の「Tinder Plus」をリリースして動向が注目されている。これは従来のTinerに2つのプレミアム機能を加えたものだ。1つは、「Undo」の機能。もっともリクエストの多かった機能だそうで、間違って左にスワイプして消してしまった写真を取り戻す機能だ。Tinderでは一端スワイプしてしまうと、まずその人にはもう巡り会えないという割と一期一会的なデフォルト設定になっている。

もう1つの有料機能は「Passport」と呼ばれる自分の居場所を現在地と異なる都市に仮想的に移す機能だ。Tinderでは半径何kmといった指定で、近くの人をマッチする仕組みになっているが、お金を払うとこれを変えられる。旅行などで現地についてからTinderを起動するよりも、事前に居場所だけ設定で変えてしまって旅先のロマンスに思いを馳せる……、のだと思う。Tinder PlusのPR動画は、少なくともそんな感じだ。

TechCrunch Tokyoに来ていただくTinderのバイス・プレジデント、ロゼッテ・パンバキアン氏には、そもそもTinderが、どんな人たちに、どんな風に使われているのかといったことなんかも含めて、今後の戦略などをお話いただこうと思っている。

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投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。