“1000部読み手がいれば本が出せる”出版クラウドファンディング「EXODUS」始動

CAMPFIREと幻冬舎の共同出資により、「クラウドパブリッシング」事業を提供しようと2018年3月に立ち上げられたエクソダス。2017年12月の設立発表から1年以上動きがなかったエクソダスだが、5月13日、ついにクラウドファンディングを使った出版プログラム「EXODUS(エクソダス)」が始動した。

満を持してスタートしたEXODUS。記念すべき第1号プロジェクトでは、駐車場シェアリングの「akippa(アキッパ)」を運営するakippaの代表取締役社長、金谷元気氏がプロジェクトオーナーとなり、営業会社からITスタートアップに転身した、金谷氏自身の起業ストーリー出版を目指す。

エクソダスは、出版不況の背景にあるのは若者の活字離れではなく、「本の情報が的確に届かない、欲しい本があってもすぐ買えない」ことにあると考えている。「1万部売れることが見込めないと本が出せない」と言われる出版界。クラウドファンディングの活用により、1000部読み手がいれば出版できる仕組みを構築し、本を最適な読者に届けようというのが、エクソダスの狙いだ。

EXODUSは一般ユーザーから、フリーライターや出版社、編集プロダクションなどの業界に属する企業までを対象とした出版プラットフォームを目指している。CAMPFIREはクラウドファンディングのノウハウを、幻冬舎は企画力や編集力、宣伝力をそれぞれ提供し、持ち込まれた出版アイデアを「本」にする支援を行っていく。

CAMPFIREは2011年のクラウドファンディングサービス開始以来、現在までに2万1000件以上のプロジェクトを掲載、支援者は述べ121万人以上、流通金額115億円に達している。クラウドファンディングの「CAMPFIRE」「polca」といったサービスのほか、金融サービス「CAMPFIRE Bank」、コミュニティウォレット「Gojo」、プロジェクトメンバー集めのプラットフォーム「tomoshibi」などを運営する。5月6日にはシリーズCラウンドで総額22億円の資金調達を実施したことも明らかにしている。

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TechCrunch Japan

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