12種類の魅力的なタイトルが次々に登場するコンパクトなゲーム機「Playdate」

スマートフォンゲームにはもううんざりしていて、今日はもうSwitchを電車のお供に持っていくことにも気が進まないだろうか?このたび、便利なMacアプリの有名なクリエイターで、最近は面白いゲームをリリースしているPanicが、どこへでも携行できるほどコンパクトで、新しいゲームを定期的に受け取ることができるハンドヘルドゲーム機を開発した。Playdateという名前だ。

過去10年間にわたり、任天堂とスマートフォンによって圧倒的に支配されていて、挑戦しようとするものさえいなかった場所に、あえて飛び込んでくる勇気を讃えよう。とはいえPanicは一大帝国を築こうとしているのではない、ただ面白くて新しい何かをやっているだけなのだ。

「驚くようなものは残されていないけれど驚くことは素晴らしい!」と、PlaydateのFAQには書かれている。「私たちPanicはビデオゲームの世界に、これまでのものとは全く違うチャンスを見ました。これまで様々な体験をしてきたビデオゲームプレイヤーの皆さんに、ちょっとした楽しさと喜びをお届けできるような、小さなものをお届けするということです」。

OK、確かに違うみたいだ。明るく黄色の本体に、黒と白のスクリーンを持つ。カートリッジのようなリムーバブルメディアを差し込む場所はない。Playdateは基本的に自己完結的型だが、もちろん充電は必要だし無線接続も行える。そして12のゲームも無線接続を介してやってくる。高橋慶太氏(塊魂の作者)、ベネット・フォディ氏(Getting Over Itの作者)、そしてザック・ゲージ(Ridiculous Fishingの作者)のような有名開発者たちによって開発された、独占ゲームが配信されるのだ。(訳注:他の記事などによれば、実際にはゲームは当初より本体内に入っていて順次アンロックされて使えるようになっているらしい)。

それらは毎週1つずつ登場するが、最初のタイトルは、高橋氏による「Crankin’s Time Travel Adventure」である。おっとそう言えば、この機械にはクランクが付いてることはお話ししただろうか?

そのとおり、このはガジェットには通常の十字パッドと2つのボタンがあるが、側面には小さなクランクがついていて、プレイヤーは奇妙な小さなゲームの中でそれを使うことになる。例えば最初のゲームの場合、クランクを使って時間を進めたり戻したりすることになる。おそらく、魚釣りでリールを巻いたり、懐中電灯を充電したり、工作のために石を削ったり、その他さまざまなことを行うことになるだろう。とはいえ、すべてのゲームに必要というわけでもないので、もし非常に奇妙に見えても心配しないで欲しい(このクランクは、PanicのハードウェアデザインパートナーであるTeenage Engineeringによる触発的なチョイスである)。

ひょっとして気がついていないかもしれないが、ゲームもまた白黒である。2.7インチ、400×240の画面にはバックライトがない。それは電子ペーパーでもなく、カラーフィルターもない単なるLCDだ。私は何年もこうするべきだと言い続けてきた! それはバッテリー寿命を延ばし、遊び方をほんの少し変えることになるだろう。たとえばソファの上で明るい画面を見るのではなく、ランプ光の下のベッドの中で遊ぶといったやり方に。

「Playdateから得られる体験は、携帯電話やテレビを使うゲーム機から得られる体験とは異なるものである必要があると考えています」と語るのは、Panicのスペシャルプロジェクトディレクターであるグレッグ・マレティック(Greg Maletic)氏だ。「この奇妙な1ビット反射式スクリーンは、その体験のための、大きな部分を占めています。こちらの路線に進むデバイスは多くありません。そして私たちにとっては、それこそが魅力の一部でした。そして、それは本当にうまくいきました。開発者たちは、この奇妙だけれどクールなスクリーンに向けたデザインに、活力を感じてくれたのです」。

12種類のタイトルがすべて配信されたあとには、さらに多くのタイトルが登場する可能性があるが、同社によれば、それは多くの条件にかかっているという。しかし彼らは、プラットフォームが簡単にハッキングできるように注意深く仕上げてくれた。

「現在のほとんどのハードウェアプラットフォームには厳しい制限がかかっています。そこで私たちにとってはPlaydateを実験可能な程度にオープンにすることが大切だったのです」と、マレティック氏は語る。「それは、私たちが開発者として、個人的に切望していた種類のプラットフォームなのです。そのため、コード署名やプロビジョニングプロファイルといったモバイル開発の厄介事を心配することなしに、皆が自分のゲームを開発して、気軽に友人たちと共有できるようにしたのです」。

今年の後半に発売予定のPlaydateを149ドルで予約注文することが可能だ。まあ、それは安くはない。だがそれは奇妙で楽しく、いまはユニークな存在だ。それはますます汎用化されつつあるゲームハードウェアの世界で、何らかの価値を持つに違いない。

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(翻訳:sako)

投稿者:

TechCrunch Japan

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