13歳の娘に宛てた真剣なキャリアアドバイス

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編集部記:James Altucherは、Crunch Network のコントリビューターであり、Choose Yourself Mediaのファウンダーだ。

彼の執筆した他の記事:How Do I Know If I Should Take A Job At A Startup?10 Reasons To Stay At Your Job

13歳の娘に対して、見栄を張らなければならないようで気恥ずかしいのだが、彼女の方から聞いてきたのだ。私の娘Mollieは、学校のキャリアガイダンスの授業の宿題として、私がどのように生計を立てているのかということを聞いてきた。私は答えに戸惑った。何故なら、私は多様な仕事をしていて、それをどのように彼女に伝えれば良いか分からなかったからだ。

しかし、これは学校が「教育は仕事に直結する」という考えに固執し過ぎていることの表れであると思う。それは、もう事実ではないのだ。

現実には、平均的な人でも人生の中で14の違う仕事を経験し、平均的な大富豪には、7つの異なる収入源があるそうだ。つまり、「一つの仕事に特化した」教育を受けた子供たちは、人生はそのように動いていないということを、難しい道順で学ぶことになる。

世界の移り変りはとても早い。私が今している仕事は、私が13歳の時には存在していなかった。そして、彼女が将来する仕事も、今はまだ存在していないだろう。学習することは、何かを覚えることより重要であるということだ。

宿題の内容な以下のようだった。

あなたの仕事は何ですか?そのキャリアに進むには、どのような教育を受ける必要がありますか?

私は一つ仕事を行っているのではない。そして、今すぐ学校を中退しても私の仕事はできる。Mollieに関しては、今すぐに中退したのならこの質問を続けなくても良くなるので、是非そうしてほしい。

私は、人は愛する人に囲まれ、得意な仕事をし、選択において、ある程度の自律(つまり自由)がある人は、人生を謳歌できると信じている。

恥ずかしい間違いを繰り返す自分を許容しなければならない。

違うことを色々行うことで、人生に自由がもたらされる。その中のいくつかはお金になるが、いくつかはならない。けれど、いずれも自信、人とのつながりと自由をもたらす。これこそ健やかなウェルビーイングを成し遂げるために必要な三要素だ。

私は、本や記事を執筆するライターであり、ポッドキャストで1000万ダウンロードを達成したこともあるポッドキャスターであり、たまに人前で話をすることもある。また、30以上の企業にアドバイスをしたり、投資したりもしている。

そして、多くの失敗を経験した。色々な事をすれば、色々なミスをしでかす。恥ずかしい間違いを繰り返す自分を許容しなければならない。それができれば、最終的に幸せな結末が待っている。

アドバイスする企業に対しては、一つだけ条件を求めている。その企業は、10億人の助けになるかということだ。(少し大げさだったかもしれない。13歳の娘に対してみっともない見栄を張った。100万人辺りが正確だろう。いや、100人でも良い。)

そして重要なことは、今の私の仕事をするのに、正式な教育的な要件は一切必要ないということだ。

仕事のどの部分が好きですか?嫌いな部分はありますか?

私は、過去5年間の友人との出会いに心から喜びを感じている。たくさんの事を学ぶことができた。学びがなかった日など無いといっても過言ではない。

嫌いな部分としては、「ノー」と充分な回数言えなかったことだ。(「The Power of No 訳:「ノー」の持つ力)」という本を執筆しているのにも関わらずだ。)ここに秘密がある。もし「もちろん、引き受けます!」と言えることではないのなら「ノー」と言うべきだ。

もし「もちろん、引き受けます!」と言えることではないのなら「ノー」と言うべきだ。

この素晴らしいテクニックがあっても、それに毎回従うのはとても難しい。人に嫌われたくないために「はい」と言って引き受けてしまったが故に、本当に人をクリエイティブにし、人生に喜びと活力を与えてくれる活動に割く時間が減ってしまうことは良くある。

これを解決する方法を私は知らない。実践あるのみだろう。

典型的な一日はどのような様子ですか?勤務時間について教えてください。

私には決まった勤務時間はない。きっとMollieもそうなるだろう。君には今、学校の時間があるが、それは偽りの勤務時間だ。

ただし。

毎日のルーティンはとても大事だ。一日の中でエネルギーとプロダクティビティは、時間によって変動する。極端な例だが、夜の時間帯の私たちは疲れている。(だから寝るのだ。)夜中に仕事をしたとしても、出来は良くないかもしれない。

私たちの脳のプロダクティビティは、起床していから2時間から4時間後までの間にピークを迎える。

毎日のルーティンはとても大事だ。一日の中でエネルギーとプロダクティビティは、時間によって変動する。

朝の5時に起床したのなら、脳は7時から9時までの間、夜中より100倍活動していることになる。私は5時に起床し、2時間読書をし、その後の2時間を執筆作業に充てている。執筆が私にとっても最も重要な活動だからだ。

その後、散歩やエクササイズをした後、脳の力を必要とする活動の順に時間を充てる。例えば、ビジネスに関するアドバイス(これが先)をし、その後は少ないエネルギーでも行えるタスクなどの処理を行う。

私たちの脳は体重全体のたった2%だが、毎日のカロリーの25%を消費している。この素晴らしいツールの使い方は人の一日の活動の出来を左右するので、とても重要なのだ。

どのように現在の仕事を選びましたか?

私には特定の職はない。

怖くなって仕事を追い求めた事はある。20代の頃、お金が必要だったので、ビジネスを始めた。

君の妹が生まれた時、新しいアメリカ国民が私の家にやってきて、30センチほどの彼女は英語も話せず、歩くことも出来ず、どこでもお漏らしをし、いつでも泣いて、私が面倒を見なければならなかった。それをするには、やはりお金が必要だと思ったのだ。

上手くできる時もあるが、他の時はストレスも多く、上手く対応できない時もあった。時折、逃げ出したくなる時もあったが、そうしなくて良かったと今では思う。何故なら、30センチだった彼女と君が私の人生に今いるからだ。

私は20以上のビジネスを作ったが、その内の17は失敗し、他の3つは上手くいった。ただ、私は子供の頃から書いたり、作ったりするのが大好きだった。私は25年以上にも渡り、ほぼ毎日何かを書いてきた。

私はたくさんの人を知っていて、多くの人たちのことについて書いている。それもあって、ラジオ番組(ポッドキャスト)でインタビューを始めた。起業家(Mark Cuban、 Arianna Huffington)、エンターテイナー(Coolio、 Amanda Palmer)、作家やアスリートといった、人生を良くしようと努力している多くの人に対し、インタビューを行った。

インタビューを通して、彼らから学びを得たかったのだ。番組を聞いている人にも彼らのストーリーを共有したかった。良いインタビューを心がけたが、それは難しいことでもある。練習が必要だ。

10人私のことを好きな人がいたとしても、1人か2人は私を嫌う人が現れる。彼らは出てきて、私に訴えるのだ。物事が順調に進むほど、私の活動が嫌いな人からの言葉を多く耳にすることとなる。なので、人に嫌われる活動をする自分を許さなくてはならない。

また、ビジネスにアドバイスするのも好きな仕事である。多くの人にとって重要な問題を解決しようとしているからだ。

人に影響を与えると、副産物としてお金が得られる。

私はこれらの仕事が好きで、人に対する良い影響があるからこの仕事を選んだ。やりたい仕事を全て特定するのは私には難しかった。それらは頻繁に変わるものでもあると感じていた。人に影響を与えると、副産物としてお金が得られる。本当の価値を探求するほど、この副産物を掘り当てるのが上手くなっていく。

私は結果的に半年ごとに違う活動を行っている。半年後、私はどんな仕事をしているかは見当がつかない。それは誰も分からないことだ。人生の何事も予測することはできないからだ。「Xをする」と宣言したとしても、翌年にはYをしていることも良くあるだろう。それでも良いのだ。

予測不可能なことは、予測可能なことよりも自然なことだ。人間は生来ノマドのように生きるものだ。新しい環境を求め、世界を巡り、今までになかった体験に適応し進化する生き物なのだ。

なので、次の半年でどんな新しい体験に適応しているかは誰にも分からない。しかし、私は自分の活動を楽しんでいて、人の助けになることをし、全ての活動においてクリエイティビティを発揮する仕事をしたいと考えている。

キャリアの選択において、若い世代にどんなアドバイスを贈りますか?

好奇心を持って、質問をすること。

下らない質問だと思った時でも、その質問を必ずすることだ。質問をするのが恥ずかしい場合は、質問を2つすることだ。

君の母はちょっとしたコツを心得ている。彼女はカンファレンスに出席し、質疑応答の時間の時は、質問を考える前に手を上げるのだ。必然的に質問を考えなければならなくなる。

そうしなければ、他の人と同列にいることになる。その列から外に出なければ、全体がどのように動いているかを把握することはできない。

好奇心が私たちの脳という名のエンジンを動かしている。好奇心は、まだ誰も知らないことを学ぶための助けになる。そして自分が何をしたいか、どんな人になりたいか、質問することを恐れる人よりどんな問題を素早く解決できるようになりたいかが分かるようになる。

そして2つ目。いつも健康に気をつけること。気分が優れない時にクリエイティブになることはできない。7年置きに全身の古い細胞は死んで新しい細胞に入れ替わっている。

細胞はどこから来るのか?ほとんど食べた物から構成されている。ジャンクフードを食べれば、ジャンクフードできた身体になる。健康的な食事をしていれば、健康的な身体になるだろう。

毎日の時間は、私たちが活動できる唯一の時間だ。

もう一つ覚えておいてほしい。「人は、自分の周りにいる5人の人の平均である」という言葉をだ。良心的で、クリエイティブで、賢い人に囲まれているなら、君も良心的で、クリエイティブで賢くなる。これは「感情の細胞」と読んで良いだろう。半年もすれば、100%変わるものだ。

毎日、少しでも良いからクリエイティブな活動をすることだ。文章を書いたり、読んだり、絵を書いたり、アイディアを10個書いたりなどだ。「クリエイティブな細胞」ができあがる。これは私なりの生物学だ。

最後に。毎日の時間は、私たちが活動できる唯一の時間だ。後悔は過去で既に息絶えている。将来への不安は、予想することはできない。なので、今ある物に対して感謝すべきだろう。喜びのある人生と世界は何でも自由に描いて良いキャンパスのようなものだ。美しい絵を描こう。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

投稿者:

TechCrunch Japan

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