2013年のグローバル市場は携帯全体の中で初めてスマートフォンが過半数を達成

2013年に、その避けられない事態は起きていた。全世界でスマートフォンの売上台数が、通常フィーチャーフォン(feature phone)と呼ばれるふつうの携帯電話を初めて上回ったのだ。すなわちGartnerの最新の推計によると、2013年の携帯電話の総売上台数18億台のうち、9億6800万台がスマートフォンだった。

18億というグローバルな売上台数は、2012年に比べて3.5%の増である。

Gartnerのこの前の報告によると、グローバルにスマートフォンがフィーチャーフォン(ダムフォン(dumbphone)とも呼ぶ)を初めて抜いたのは昨年のQ2だった。そのとき、Androidのマーケットシェアは79%だった。

そして2013年通年では、スマートフォンが携帯電話全体の53.6%を占め、多数派の地位を確定した。

スマートフォンの売上は2013Q4では前期比で36%増加し、携帯電話全体の57.6%を占めた。前年同期比では44%の増だった。44%はQ2の46.5%よりも低いが、とにかく年間を通しては、ユーザがサードパーティのアプリをダウンロードできるいわゆるスマートな携帯電話機が、それのできない携帯電話を確実に上回ったのだ。

2013年は、北米などの飽和市場では携帯電話全体の需要がやや落ち込み、成長を引っ張ったのはもっぱら新興市場である。

とくにラテンアメリカ市場が前年比で96.1%という高い増加率を達成し、このほか、中東、アフリカ、アジア太平洋、東欧地区がそれぞれ、Q4には50%を超える増加率を示した。

国別でスマートフォンの増加率が最高だったのはインドで、Q4の前年同期比増加率166.8%を達成した。中国もグローバルなスマートフォンの増加に大きく貢献し、2013年通年で86.3%の増加を示した。

Gartnerの推計では、Android OSの2013年のグローバルなマーケットシェアは78.4%、これに対し、マーケットシェアの縮小が続いているiOSは15.6%、MicrosoftのWindows Phoneは3.2%だった(ただしこの‘第三勢力’の世界シェアは微増している)(下表)。BlackBerryは限界値ぎりぎりの1.9%に落ち込んだ。

2014年には、Androidだけで10億の大台に近づく、とGartnerは予測している。

2013Q4のスマートフォンの売上をベンダ別に分類すると(下表)、トップは依然としてSamsungで29.5%のシェアを握っているが、前年同期の31.1%よりは落ち込んでいる。

次位のAppleの2013Q4のシェアは17.8%で、こちらも前年同期の20.9%から落ち込んでいる。

三位は中国のHuaweiでシェア5.7%、しかしこちらは前年同期の4.2%より大きくなっている。

GartnerのアナリストAnshul Guptaは、次のように述べている: “携帯電話のグローバル市場を支配している上位3社は、その合計シェアが2013年第四四半期と2013年通年で落ち込み、中国などの地域ブランドが継続的にシェアを伸ばしている”。

Gartnerの分析では、Samsungの落ち込みの原因は先進国市場におけるハイエンドスマートフォンの飽和だ。同社はハイエンド機の旗艦ブランドGalaxyが、ここ数年の成長の源泉だった。報告書は同社について、ハイエンド機の開発は今後も継続すべきだが、成長を維持するためにはよりシンプルなインタフェイスを持つミッドレンジ機で市場のボリュームゾーンに訴求すべき、と述べている。低価格よりも、使いやすいインタフェイスが重要、というのだ。

2013Q4におけるAppleのスマートフォンの売上は記録的だったが、スマートフォン全体におけるシェアはQ4と通年のどちらでも落ち込んだ。ただし携帯電話全体の中では、スマートフォンの優勢化という傾向の中で同社もシェアを伸ばしている。

しかしAppleは9月に日本のNTT Docomo、Q4にはChina Mobileと契約しているので、iPhoneは今後アジアで伸びると予想される。

第三位のHuaweiの、Q4におけるスマートフォンの売上は85%増加し、2012年に続き銅メダルの地位を維持した。同社のQ4の売上増加に大きく寄与したのは、中東、アジア太平洋、ラテンアメリカ、ヨーロッパなどへの海外展開だ。

同じく中国のLenovoは、GoogleからMotorolaを買ったばかりだが、やはりQ4には63.1%と大きく伸び、通年の成長率は102.3%となった。Motorolaの買収により同社にはアメリカ進出の機会が生じたとされ、特許の取得によりグローバル市場への急速な拡大も期待される、という。

Guptaは曰く、“Motoを買ったのは合衆国進出が目的というより、脱中国がより重要なねらいだ”。

Gartnerの予測では、2014年もスマートフォンの勢いは持続する。とくに今年は、メーカー数が増えて低価格機での競争が激化するだろう、という。すなわち新興市場が成長を引っ張るようになるとハイエンドスマートフォンの売れ行きは鈍化し、低~中位価格の製品が主役になっていく。したがってスマートフォンの平均価格と売上額の増加率はともに、低下することになる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


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TechCrunch Japan

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