2013年のRovio(Angry Birds)、売り上げは横ばいで利益は半分ほどに減少

Angry Birdsで有名なRovioにとって、2013年はやや停滞気味の年となってしまったようだ。社員を大幅に増強して臨んだ年ではあったが、利益が半分ほどとなってしまった。

ヘルシンキに本拠をおくRovioの、昨年の売り上げは2億1590万ドル程度だった。これは2012年の2億1060万ドルをわずかに上回る数字となっている。

しかし従業員数は500名から800名へと増やしており、純利益でみると7680万ドルから3730万ドルへと、半分ほどに縮小してしまっている。ちなみにRovioは非公開企業であるのだが、フィンランドの法律により毎年の収支報告を行う必要がある。

RovioはJami Laesが新たにゲーム部門のエグゼクティブ・バイスプレジデント(EVP)となるなど、組織的な変革も行いつつあるところだ。LaesはDigital ChocolateやEAなど経験を積んできた人物だ。以前のゲーム部門EVPであったPetri JarvilehtoはRovioを去り、やはり元Rovioで戦略的パートナーシップ部門を率いていたAndrew Stalbowと、Seriouslyを創業している。

ところでRovioは、他企業のようにfree-to-playモデルによる収益構造の確立には、さほど熱心でないように見える。関連グッズやライセンス販売の方に力を入れているようなのだ。

同じくヘルシンキ発のSupercellはfree-to-playモデルの中で収益構造を確立し、昨年の年間売上高が8億9200万に達している。

こうした状況を見て、Rovioもfree-to-playの収益化をはかる必要があると考える人は多い。しかし一方で、グッズ販売などを行うことにより、作品がヒットするかどうかというギャンブル的な面のあるゲーム企業に、ある程度の安定性をもたらしていると評価することもできるだろう。昨年の状況をみると、消費者グッズの売り上げが、全体の47%を占めるまでになっている。誕生時からは考えられないほどに大きく成長したHello Kittyやミッキーマウスなどの例もあり、グッズ開発やライセンス販売には確かに大きな魅力があるのも否めないところだ。

また、Rovioはアニメーションスタジオを買収し、長編アニメも製作中だ。こちらの方は2016年半ばにもリリースされる予定なのだとのこと。またYouTubeで短編作品を公開するアニメーションスタジオも買収している。さらにサードパーティーアプリケーションをプロモートするためのプログラムも作っているし、またAngry Birdsテーマパークをヨーロッパや中国に設置してもいる。

Rovio曰く、これからfree-to-playの収益化についても積極的に進めていきたいとのこと。仮想アイテムや仮想通貨などの販売も行っていきたいとのこと。これまでにはAngry Birds Star Wars IIやAngry Birds Go!などでは行っていたわけで、積極的展開することで新たな収益チャネルを構築することに繋がる可能性もあるだろう。

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(翻訳:Maeda, H


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TechCrunch Japan

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