2018年のテスラ車の衝突事故当時「オートパイロット」が作動中だった

昨年Tesla Model Sが米国南カリフォルニアで消防車に衝突したとき、同社の最新運転支援システムである「オートパイロット」が作動していたことが、米国時間9月2日に国家安全委員会(NTSS)が公開した中間報告書でわかった。

ロイターは、この公開文書の内容を最初に報じた。NTSBが決定した推定原因を含む最終事故報告書は米国時間9月3日に公表される予定だ。

2014年型Tesla Model Sが関与した衝突事故は、2018年1月22日にカリフォルニア州カルバーシティーで起きた。Tesla車は州間高速道路405号線に駐車していた消防自動車に衝突するまでの約14分間オートパイロットが作動していた。運転者に怪我はなく、消防車は無人だった。

Tesla(テスラ)は報告書についてコメントしていない。

報告書によると、オートパイロット走行中に運転者は多数の警告を受けていたにも関わらずほとんどの時間ハンドルを持っていなかった。オートパイロットは衝突前の13分48秒間作動しており、その間に運転者がハンドルに力を加えたことをシステムが検出したのは51秒だけだった、とNTSBは書いている。

その他の発見事項は以下のとおり。

  • システムはオートパイロット作動中の手放し行為について4回の個別の状況下で視覚的警告を与えた。
  • システムは第一レベルの音声警告を1回与えた。それは最初の視覚的警告の後だった。
  • 運転手がハンドルに力を加えていなかったことをシステムが検出した最長時間は3分41秒だった。

2018年に消防車に衝突した事故で、当該車両では「ハードウェアバージョン1」および2017年12月28日にインターネット経由のソフトウェアアップデートでインストールされたファームウェアが動作していた。同テクノロジーは、車線維持、側面接触警告、緊急自動ブレーキに加え、適応型クルーズコントロールやオートステア機能など数多くの便利な機能や安全機能を提供している。

報告書によると、運転者が事故当時携帯メールや通話をしていた証拠は見つかっていないが、ある目撃者は捜査担当者に、運転者は下を向いてスマートホンと思われるものを見ていたと話した。運転者は事故当時コーヒーかベーグルを持っていた可能性があると報告書は伝えている。

オートパイロットは、特に2016年にフロリダ州で起きた死亡事故や、最近カリフォルニア州でModel X運転中に高速道路の分離帯に衝突して死亡したWalter Huang(ウォルター・ファン)氏の事故以来、NTSBが厳しく監視している。2016年の死亡事故の後、国家道路交通安全局(NHTSA)も捜査に乗り出し、最終的にオートパイロットに欠陥は見つからなかった。NTSBは2016年の事故を、システムの制約を含む複数の要因の組み合わせによって起きたものだと結論を下した。

ファン氏の遺族は2019年5月にテスラおよびカリフォルニア州運輸局を相手に訴訟を起こした。不法死亡訴訟はカリフォルニア州最高裁判所サンタクララ郡に提出され、テスラのオートパイロット運転支援システムの欠陥が事故の原因であると訴えた。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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