2019年にレビューしたハイテクな車、パワフルな車

TechCrunchはときどき車を特集する。なぜか。車は入手可能な家電のうち最も複雑で技術を要するものの1つだからだ。車、特に消費者が入手可能な車は、コンピューティング、製造、材料科学における最先端の技術の集積だ。速く進むこともできる。

過去12カ月の間に、復活したクラシックマッスルカーから超高級車に至るまで、いくつかの車を見てきた。ドライブと疲労感でいっぱいの楽しい年だった。

Audi e-tron SUV

2018年の最後の週に、Audi(アウディ)初の量産電気自動車を運転した。おなじみのe-tron SUVだ。e-tronで1日過ごし、アブダビの完璧な舗装路、曲がりくねった山道、砂に覆われた砂漠の小道を何百マイルもドライブした。e-tronは、中型のアウディのSUVの性能に対する購入者の期待に正確に応えてくれる。オンロードのe-tronは静かだが情熱的だ。オフロードでは、岩の上でも、深い砂の中でも、堅牢で確実な動きをする。レビューはこちら

Audi RS 5 Sportback

数カ月後、1週間の予定でAudi RS 5 Sportbackを受け取った。タイヤがかなり薄くなってから返却した。この5ドアセダンは粗く不安定で、多数の電子システムの下で不自然な暴力性をまとっている。2.9Lツインターボエンジンが音を立てながら、アウディの四輪駆動システムによって、タイヤが常に路面をつかまえている。非常識な車だ。ほとんどの休暇がそうであるように、訪れるのは楽しいが、RS 5と一緒に暮らしたいとは思わない。レビューはこちら

2019 Bentley Continental GT

春の終わりに、2019 Bentley Continental GTが筆者らを驚かせた。このマシーンは、ボンネットの下でさまざまな機構が交響曲を奏でながら、路面を滑るように走る。W12エンジンは絶滅危惧種であり、残念だ。パフォーマンスは驚異的。時速200マイル(約320km)出せる車だが、筆者はそこまでのスピードは出さなかった。最も驚いたのは、速く走る必要がないことだ。新しいContinental GTは、スピード以外の点がスリリングだ。素晴らしいスピーカーのセットや高級酒のようだ。量より質。機械的な外観ながら、クオリティは圧巻だ。レビューはこちら

Audi 2019 Q8

 

 

 

5月下旬、アウディの2019 Q8でミシガンからニューヨークへ、そしてまたミシガンに引き返した。同乗者にとっては快適なドライブだったが、ドライバー(筆者)にとっては不快だった。それでも、Q8で多くの時間を過ごしたおかげで、別の発見があった。クロスオーバーのほとんどは、SUVの有用性を保ちつつセダンの快適さも提供しているということだ。Q8にあるのは、セダンの限られた有用性とSUVのそこそこの快適さ。さらに悪いことに、Q8を街中で運転すると時としてイライラの原因になる。レビューはこちら

BMW i8

BMW i8が世に出てからすでに長い。リリース直後のレビューから数年経って、最後にもうひとひねり加えるために取り上げた。BMW i8は、BMWの歴史において踏み台にすぎない。変わり種。新技術を試す限定版だ。筆者の知る限り、BMWはi8をトップセラーまたはマーケットリーダーとして位置付けたことはない。エンジニアの遊び場だ。筆者は好きだ。レビューはこちら

Ford 2020 GT500

秋に筆者らはラスベガスに行き、フォードの最新GT500の乗り心地を試した。爽快でありながらコントロールしやすい。2020 GT500と過ごしたのは短い時間だったが、街中のドライブでパワーに圧倒されることはなかった。2020 GT500は、制約を設けた環境での実験だ。この760 HPフォードは3.3秒で時速60マイル(約96km)に達するが、なぜか街中でも簡単にドライブできる車だ。これは驚くべきことで、ディアボーン(フォードの研究開発拠点)における技術進歩の証だ。レビューはこちら

McLaren  Senna GTR

スーパーカーの能力は過剰になりがちだが、McLaren  Senna GTRは別。マクラーレンの技術の証だ。運転席に滑り込むと、まるで家にいるようだ。コックピットは目的を感じさせる。コースは冷たく、水たまりがあった。GTRは、巨大なスリックタイヤ、非常に強いパワー、強い剛性を備える軽量のレーシングカーだ。従来の常識では、ドライバー(筆者)は、こういった危険な路面状態ではゆっくりと速度を上げる必要がある。だが、車を機能させる最善の方法は、タイヤに少し荷重をかけてタイヤの温度を上げること。Robert Bell(ロバート・ベル)氏は、エンジンと電子制御のトラクション、それにスタビリティコントロールの双方を、完全な「レース」設定にして筆者を送り出した。1周終わる前、しかもコーナーをいくつか回っただけで、筆者はABS(アンチロックブレーキシステム)、TC(トラクションコントロール)、ESC(エレクトリックスタビリティコントロール)のチューニングに良い感触を得た。すべてが直感に訴える、だが主張を最低限に抑えたチューニングだった。レビューはこちら

今年運転した他の車についての短い考察

2020 BMW M850i xDrive Coupe

そこそこのお金持ちのための素晴らしいツアラー。四輪駆動、輝かしいエンジン、アームレストヒーターを備えた850iは、どこでもエキサイティングで快適だ。

2019 Ford GT350

GT500は忘れてほしい。GT350は、標準のギアボックスと自然吸気の5.2L V8を搭載したポニーカーだ。高価でスーパーチャージャーを備えた「いとこ」のGT500に比べ、コントロールとスリルをドライバーに与えてくれる。

2020 BMW M2 Competition Coupe

この小さなBMWクーペのバランスは完璧だ。強力で制御可能。筆者らは試乗した1週間で、無限のスリルを味わった。筆者の今年のお気に入りの車だ。

2019 Ford Raptor

スポーツカーよりも速いピックアップは必要だろうか。おそらく要らないと思うが、もし欲しいなら、Raptorにはその能力があり、楽しめると思った。ボディが幅広いため取り回しは決して楽ではない。

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(翻訳:Mizoguchi)