2021年第1四半期のモバイルゲーム週支出額が過去最多の約1872億円に、パンデミック前から40%増

新型コロナウイルスパンデミックでは、ロックダウン下に置かれた消費者がゲームなどエンターテインメントのオンラインソースに目を向けたため、モバイルゲームに対する需要が増えた。しかし新型コロナ規制が緩和されても、モバイルゲーム需要は減退していない。モバイルデータ分析会社App AnnieがIDCの協力を得てまとめた新たなレポートによると、2021年第1四半期の世界のゲームダウンロード数は2019年第4四半期に比べ30%多く、2021年第1四半期のモバイルゲーム週支出額は過去最多の17億ドル(約1872億円)だった。

この額はパンデミック前より40%多い、とレポートにはある。

画像クレジット:App Annie

北米と西欧マーケットにおける2021年第1四半期のモバイルゲーム支出額の前年同期からの成長は、米国とドイツがそれぞれのマーケットを引っ張った。そしてアジア太平洋地域を除く世界の成長ではサウジアラビアとトルコがリードした。アジア太平洋地域は2021年第1四半期のモバイルゲーム支出額の約半分を占めた、とApp Annieは指摘した。

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モバイルゲーミング分野の成長は、部分的にはパンデミックにより加速したが、そのペースはデジタルゲーム消費の他のフォームを上回っている。2021年、モバイルゲーミングの支出額はPCとMacの2.9倍、家庭ゲームコンソールの3.1倍とリードをさらに広げた。

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ただ、この変化はモバイルとコンソールのマーケットが合併しつつある中でのものだ、とApp Annieは指摘している。クロスプラットフォーム能力やソーシャルゲーミング機能など、より多くのモバイルデバイスがコンソールのようなグラフィックスやゲームプレイエクスペリエンスを提供している。

リアルタイムのオンライン機能を持つゲームがアプリストアの売上高チャートのトップを独占する傾向にある。例えば2021年第1四半期にiOSとGoogle Playで世界で最も売り上げが多かったモバイルゲームはRobloxだった。その次がビジュアルエクスペリエンスが評価され、WWDCでAppleデザイン賞を獲得したGenshin Impactだった。

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レポートはまた、ゲーミングを取り巻く広告マーケットと、My NintendoやXbox Game Pass、PlayStation App、Steam、Nintendo Switch、Xboxアプリなどゲームコンソール用のモバイルコンパニオンアプリの成長についても分析した。こうしたアプリのダウンロード数はロックダウン下で2020年4月にピークに達したが、パンデミック前よりも好調を維持し続けている。

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広告面に関しては、ゲーム内モバイル広告に対するユーザーマインドは2019年第3四半期に比べて2020年同期は改善したものの、米国では動画リワード広告とプレイアブル広告(実際に触って遊べる広告)が好まれた。

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カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:App Annieアプリ

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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