250万個以上の使い捨てプラボトルをなくす洗剤タブレット「everdrop」が23.9億円調達

簡単な話だ。水に溶かせばキッチン、窓ガラス、浴室などのクリーニングスプレーになる住居用洗剤のタブレット。溶かすための水を輸送する必要はない、なぜなら蛇口をひねれば出てくるから。それは、ドイツ・ミュンヘン拠点のスタートアップeverdrop(エバードロップ)の掲げた約束だ。このタブレットは消費者だけでなく、すでに投資家の心も掴んでいる。

2019年12月に発売されたそのクリーニングタブレットは使い捨てのプラスチックボトルも不要にするため、環境にこだわる消費者にアピールしている(消費者製品会社としては異例ともいえる11万人のフォロワーがInstagramにいる)。

everdropは、同社のタブレットによって250万個以上の使い捨てプラスチック容器をなくすことができると推計している。

everdropの共同ファウンダーであるDavid Löwe(デビッド・ライオン)氏は、同社のやり方を真似することは可能だが、彼らの水硬度計算機を真似することは困難だろう、と私のインタビューに答えている。「さらに、洗濯洗剤の個別調合も極めてユニークです。現在、他の国でこれをやっているところはないと思います。もちろん他社もやる可能性はありますが」。

everdropはGrove CollaborativeBluelandと競合し、The Honest Companyもある意味でライバルだ。

「本当の気持ちを言うなら、他の会社が同じことをすれば、それはすばらしいことです、なぜならこれは私が心から信じてやっていることだからです。もし私たちの成功が刺激になれば、いつか大企業がさらに持続可能な製品へと変えてくれるでしょう」。

洗剤タブレットの他にも、everdropは持続可能な衣料用洗剤製品群を作っている。マイクロプラスチックフリーで、顧客の居住区域の水に合わせて洗剤を調合することにより、水の硬度問題に対処している。洗濯洗剤は一般家庭で最大の化学物質排出源だ。everdropは同社のアプローチによって、環境に流出する不要な界面活性剤を250トン減少させられると推計している。

同社の最新製品、「naked(裸の)」食洗機タブレットは、通常この種の商品が包まれているプラスチック包装がない。

HV Capitalの投資家であるDaivd Fischer(デビッド・フィッシャー)氏は、「everdropのような真に持続可能なブランドが、設立初年からD2C(Direct to Consumer、消費者直接取引き)のライバルであるHimsやDollarShaveClubと同様の成長曲線を見せているのは驚くべきことです」と語っている。

カテゴリー:EnviroTech
タグ:everdrop資金調達

画像クレジット:everdrop

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(文:Mike Butcher、翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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