30ドルの超小型コンピュータRaspberry Piをラップトップに変身させるプロジェクト

$35または$25超小型コンピュータRaspberry Piは、それを使ってハードウェアハッカーたちが数々のクリエイティブなプロジェクトを作り上げている。上の画像もその一つで、デベロッパEric Chouが作った、Raspberry Piを使ったラップトップだ。使っているのはMotorolaのラップトップドックAtrixだが、これまでのPi作品の中でもとりわけクールなものの一つではないだろうか。

Atrixはスマートフォンをラップトップ的に使いたいときのためのドックだが、今では生産されていない。でもAdafruit Industriesには下のような‘ハウツービデオ’がまだあり、ドックもネット上のあちこちで買える。Micro USBとMicro HDMIスロットがあるので、Piをラップトップに変身させるのも比較的簡単だ。Adafruitのビデオを見れば、Piをラップトップするためのコネクタのつなぎ方などがすべて分かる。

Chouのラップトップ作品にはAirlink WiFiのモジュールなども含まれているので、部品の原価が125ドルほどかかっている(Piの価格を除いて)。しかしそれでも、OLPCプロジェクトのXO(推定原価200ドル)〔画像〕よりは安い。しかもOLPCのデバイスは各国の政府経由で一挙に何千台も配布され、個人がどこかで気軽に買うというものではない。Piなら、一つないし少数のラップトップを、自分のハッキング目的などのために簡単に作れる。

しかもRaspberry Piラップトップは、とくに途上国にとって、コンピュータが安く入手できること以外の大きなメリット…コンピュータの原理的な勉強…がある。たとえばカメルーンの農村地域の学校では、ベルギーのボランティアたちの手により、Piに国内で買ったモニタとキーボードをつけてクラスの一人々々のためのコンピュータを作るプロジェクトがすでに動いている。モバイルではないおおむね固定の学習用コンピューティング環境としてPiは優れているだけでなく、Atrixのドックのようなものが加われば、可搬性(持ち運び、携帯の便)も含めその便利さは一挙に増大する。

Piラップトップは教室で使うときテザリングが不要なだけでなく、子どもたちが家に持ち帰って勉強を続けられる(ドックには電池があるので電気のない村の家でも使える)。Piを作った非営利組織Raspberry Pi Foundationも、当初の目的であるイギリスのできるだけ多くの子どもたちがプログラミングできるようになることだけでなく、とくに今年からは途上国での利用にも力を入れている。もちろんそれらの国々では、安価なコンピュータへのニーズが大きい。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。