3DプリンティングのFormlabsが米食品医薬品局の認可をもらって綿棒の量産へ

米国マサチューセッツ州の3Dプリンターと3Dプリンティングの事業を展開するFormlabs(非上場)が新型コロナウイルス(COVID-19)の検査キット用に設計した綿棒が、近く米食品医薬品局(U.S. Food and Drug Administration、FDA)から認可される見通しだ。

綿棒や試薬など、検査キットのサプライチェーンがグローバルにおよぶので、検査を容易に拡大できないことが米政府が新型コロナウイルスの国内における感染の広がりを知る妨げになっていた。

FormlabsのCPO(チーフ・プロダクト・オフィサー)を務めるDavid Lakatos(デビッド・ラカトス)氏は「昨日FDAから通知を受け取り、これ(同社製の綿棒)がクラスワンの『人道機器向け治験適用免除』になった。ISO 135の非破壊検査でコントロールされる施設と設備で作られる限り、適用免除になる」と説明した。

患者は全米で見つかっているので、検査は疾病の広がりが速い地域が優先され、その他の地域には検査キットなどが行き渡らず、それらの地域では感染の広がりの全貌がなかなか把握できない。

綿棒に関しては問題がもっと複雑で、喉から手が出るほど必要な検査キットの部品なのにメーカーが少なく、これまでは米国で1社、イタリアで1社だけだった。

「約1週間半前に、弊社はこの取り組みに加わった」とラカトス氏は語る。

同氏によると「Formlabsには3Dプリンターが6万台あるので生産量を増やせるし、最近オハイオ州に買った工場では手術用クラスの高品質な製品も作れる」とのこと。

現在同社は、人間を使った試験を終えようとしており、オハイオの生産施設の能力を拡張している。同氏によると、同社が1日に供給できる綿棒の量は10万本だ。「そのプリンティングは開始しているが、検品でOKとなるまでは出荷しない」と説明する。

現在、綿棒の多くはパートナーの病院のマークがついているが、今後は大手流通企業とも協力して彼らの流通チャネルにもアクセスし、全米でおよそ3000病院に綿棒を納めたいという。

「なんと言っても、これら綿棒をぜひ世の中に出したい」と同氏は話す。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

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