3Dプリント作品プラットフォーム運営のカブクが2億円を調達して海外進出へ

直近ではクラウドワークスが参入を発表したが、「モノづくり」もスタートアップが盛り上がりを見せている分野の1つだ。6月6日にサイバーエージェント・ベンチャーズ、ニッセイキャピタル、フジ・スタートアップ・ベンチャーズを割当先とした約2億円の第三者割当増資を実施したカブクも、そんなモノづくりに挑戦する1社だ。

カブクが運営するのは3Dプリント技術を使ったものづくりマーケットプレイス「rinkak(リンカク)」だ。rikakは自身でアップロードした3Dデータで作成したアイテムを販売できるプラットフォームだ。陶器や金属、ラバーやプラスチック樹脂など多様な素材を使って、アイテムの製造や販売ができる。

rinkakuでは、製造だけでなく、梱包から配送までパートナーが担当するため、ユーザーはデータをアップロードするだけで販売が可能。販売価格の30%が手数料となる。

アップロードされているデータ数は数千件とのことだが、現在18金やプラチナを使ったアイテムも製造できるそうで、最近では「m0ment」という名称でアクセサリーのプライベートブランドも開始している。データをアップロードするのは著名クリエーターから美術系の学校に通う学生まで。さらには「オアシス銅像ファクトリー」やアイドルグループ「アイドリング!!!」メンバーの3Dフィギュア(販売終了)など、タイアップ、コラボレーション案件も増えている。「これまでポートフォリオすら作れなかった学生などにも評判がいい。モノづくりはプロだけのモノでなく、『世の中ごと』にはなりつつある。これを加速したい」(カブク代表取締役 CEOの稲田雅彦 氏)

カブクでは今回の調達資金により開発体制を強化するとしている。今夏をめどに、多言語対応のほか、海外発送や海外クリエーターの商品販売といった海外展開を強化するほか、スマートフォン対応についても進めていく予定だ。


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TechCrunch Japan

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