3Dプリント銃のブループリントの削除を国務省が要請

早い決断だね: 合衆国国務省は、3Dプリントで作る銃のブループリントを、その掲出から一週間後の今日(米国時間5/9)、オフラインにするよう要請した。同省のOffice of Defense Trade Controls Compliance〔仮訳: 防衛通商管理監視局〕は、憲法修正第2条のあからさまな擁護者であるCody Wilsonに、彼のDefcad.orgからダウンロードできる3Dプリンタファイルを、International Traffic in Arms Regulations(ITAR)〔仮訳: 武器交易規制法〕に基づいて削除するよう、命じた。

国務省の命令(下に埋め込み)は、次のように言っている: “省がDefense Distributedに対し最終的な物品裁定を提供するまでは、Defense Distributedは上記の技術データを武器交易規制法の規制下にあるものとして取り扱うべきである”。

しかし、意気軒昂だった銃デベロッパ(Cody Wilson)は、勝ち誇った口調で政府に抗議しようとはしなかった。彼はForbes誌に、“従うしかないね”、と語った。ただしそれは、全面降伏ではない。ブループリントはすでに10万回ダウンロードされ、彼と同類のデジタル異端児であるKim Dotcomは、オフショアであるニュージーランドのサーバにそれらを保存している。さらなる保険として、ファイルは人気のファイル共有ネットワークPirate Bayにアップロードされている(今ここを読んで鳥肌が立っている読者もおられるだろう)。

Wilsonは、武器交易規制法は情報には適用されないから自分は無罪だ、と例外扱いを主張している。すでにその“情報”は、テキサス州オースチンの某書店で売られているそうだ。

Forbes誌のAndy Greenbergによると、Wilsonは彼の政府との抗争を、軍用級の暗号ソフトウェアを政府が規制しようとして諦めたケースと同一視している。1990年代に発明者のPhil Zimmermannはそのソフトウェア、PGPをリリースしたが、それは解読がきわめて困難なため、テロリストなどが情報を隠すために利用する恐れもあった。政府は世論に負けてZimmermannを放免した、とWilsonは信じている。

3Dプリント銃の広がりを完全に防ぐことが、果たして政府にできるのだろうか。

State Dept Defense Distributed Letter (Redacted)

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


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TechCrunch Japan

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