4月30日を「インターネット独立記念日」に制定しよう

internetfreedom

編集部注:本稿の執筆者Daniel Berningerは、インターネットの構築に尽力した人々からなる団体、Tech Innovatorsの委員。他のメンバーにはBob Metcalfe、Bryan Martin、Charlie Giancarlo、Dave Farber、George Gilder、Jeff Pulver、John Gilmore、John Perry Barlow、Les Vadasz、Mark Cuban、Michael Robertson、Ray Ozzie、Tom Evslin、およびTim Draperがいる。

この4月はインターネット商用化20周年にあたるが、皮肉なことに同月、FCCの新たなオープンインターネット規則が正式に発表され、インターネットに低迷と曖昧性の象徴である公共事業モデルを適用しようとしている。同規約は、1934年の独占電話事業のために作られた方法で当局がインターネットを規制することによって、インターネットが守るべき “permissionless innovation”[自由なイノベーション]を潰そうとするものである。

過去20年間にインターネットがもたらした成功は、1991年、当時の上院議院アル・ゴアによる高性能コンピューティング法案の成立とともに動きだした。そしてそれは史上最も成功した法案の一つであることが実証された。議会は、今あるインターネットの現実と、その商用化がいかに日々の生活を変化させたかを認識し、4月30日を「インターネット独立記念日」に制定すべきである。

インターネット独立記念日の制定は、インターネットの民間セクターフレームワークを維持する超党派的立法のチャンスでもある。

現在アメリカ人は、90年代に1500万人のインターネット早期利用者たちが頼りにしていたダイアルアップモデムより、1000倍改善された体験を享受している。今日インターネットは30億人を結び、様々なサービスの普及によって、通信手段の選択肢は1995年の長距離通話のはるか先を行く。

音声通話のために作られた1930年代の法律を導入することが答にならないことは明白である。改めて言うが、FCCの新しいインターネットルールは、今日のインターネットを作り上げたポリシーを完全否定するものだ。FCCの”Title II”条項が求める公共事業モデルは、180度の方向転換であり、非常に稀薄な根拠に依存し20年間の進歩を危険にさらす。

他の電話タイプの規制は例外なく停滞をもたらしている。インターネットを電話ネットワーク規制の対象にすることによる、不明確な利益と明確な意図せぬ結果は、大衆によるコミュニケーションを不必要な危険にさらす。

恣意的な規制権力の介入は、FCCのWheeler委員長の言う「人間史上最も強力なネットワーク」 ― 即ちFCC介入のないネットワーク ― を作るのに必要な起業家精神エネルギーにとって致命傷となるだろう。事実、この法律はこの重大な決定の権限を、連邦議会のみに与えている。

この命令は現在のインターネットを事実上崩壊させ、市場をコンテンツ会社、インターネットプロバイダー、およびエンドユーザーという縦割りへと分解する。この種の、電話ネットワークの「長距離通話」や「地域内通話」のような恣意的区分がイノベーションを不可能にするのは間違いない。

要するに、これらのルールは助言的意見に拘束力を持たせないまま、法の執行を可能にする。インターネットにおけるプライバシーとサイバーセキュリティーの行く末は未だに全くわからない。しかもFCCは、彼らが新ルールを適用するか否かの判断を下すだけでなく、定義を変更することでインターネットが電話ネットワークのように変わるわけではないとも主張している。

法廷闘争を続けることは、その結果によらずインターネットエコシステムを危機に暴す。議会が80年前の規制フレームワークの可能性を考えるよりも、現在の状況と問題に取り組むべきであることに議論の余地はない。

20年間にわさる疑いようもない成功は明白だ。インターネット独立記念日が、われわれにとって過去を認識し未来の計画を正しく策定する助けになることを願っている。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。