500 Startups Japanがクールジャパン機構より約11億円を調達、総額3500万ドルを集め1号ファンドをクローズ

60ヶ国1800社以上のスタートアップへ投資をしてきたベンチャーキャピタル500 Startups。2015年9月に日本で新たに500 Startups Japanを立ち上げて以降は、国内スタートアップへの投資も活発にしている。

その500 Startups Japanは6月15日、クールジャパン機構より1000 万米ドル(約11億円)の出資を受けたことを明らかにした。クールジャパン機構が海外ベンチャーキャピタルへ出資するのは今回が初めて。500 Startupsのネットワークを活用しながら、国内ベンチャー企業の海外進出支援に力を入れていくことになる。

今回の出資について、クールジャパン機構投資戦略グループシニアディレクターの小川剛氏は「世界各地にネットワークを持つ500 Startupsと組むことで、より日本企業の海外展開の支援を促進できるでしょう。また、米国発の起業家向け教育プログラムやメンター制度、情報提供を日本で行うことで、国内のベンチャー企業がより成長しやすい環境が整うことを期待しています」とコメントしている。

また今回の調達により500 Startups Japanは1 号ファンド(総額3500万ドル)の調達を完了したことを、合わせて明らかにした。

世界と日本の起業家の架け橋になる

2010年に米国で設立された500 Startupsは、世界各国の主にシードからアーリーステージのスタートアップに出資し、独自の育成プログラムやメンター制度を通じて成長を育んできた。

日本の拠点ができる前からGengoMakeLeapsPeatixWhillといったスタートアップへの投資実績があったが、2015年の500 Startups Japan以降はよりアクティブに国内スタートアップへと投資を行っている。たとえば最近TechCrunchで紹介した企業だと、開発者向けサービスを提供するAUTHLETEや予実管理サービスを手がけるタシナレッジなどだ。

500 Startupsについては発足時にTechCrunchでも詳しく紹介しているが、元起業家でDeNA投資部門のVCだったジェームズ・ライニー氏と、野村証券でベンチャー企業の調査を担当していた澤山陽平氏がパートナーを務める。(野村氏のバックグランドなども別記事でとりあげている)

当初からシリコンバレーの知見やネットワークを国内のスタートアップにつなげたり、国内スタートアップを海外へ発信することで「世界と日本の起業家の架け橋になる」ことを1つのミッションに活動してきた500 Startups Japan。

今回クールジャパン機構からの出資を受けて、ジェームズ氏は「今の日本には起業家と呼ばれる、希望に満ちた素晴らしい人材がどんどん増えています。彼らは日本の未来を象徴しており、日本にかつてあった希望を取り戻すための道具を彼らに提供することが、私たちのミッションだと信じています。今回資金も集まり、官民ファンドであるクールジャパン機構のご支援も頂けたので、今後も日本のベンチャー企業と海外の架け橋としてより一層海外進出を支援してまいります。」とコメントしている。

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。