6980円のスマートリモコン「Nature Remo mini 2」実機レビュー

Natureの「Nature Remo」(ネイチャーリモ)はスマートリモコンにカテゴライズされる定番ガジェットだ。念のためおさらいしておくと、Wi-Fiと赤外線通信機能が搭載されており、スマートフォンから「Nature Remo」経由で、赤外線リモコンに対応したエアコン、テレビ、照明などの電子機器をコントロールできる。

初代のNature Remoが発売されたのが2017年10月16日。それからソフトウェア、ハードウェアがアップグレードされ、現在では4機種が現行モデルとしてラインナップ。また、Amazon Echo、Google Nest(旧Google Home)、Apple HomePodといったスマートスピーカーとの連携に対応している。

プログラミングの知識がある方なら、Nature Remoシリーズに対応する「Nature Remo API」が公開されている点も興味深いだろう(個人利用は無償で利用可。なおNatureは、FAQにおいてAPIの使用方法や組み込み方などは個別に案内しないとしている点に注意)。

2020年12月24日、シリーズ最新モデルとして「Nature Remote mini 2」が発売された。他モデルと比較しつつ、どのような点が進化したのかレビューしていこう。

Nature「Nature Remo mini 2」。価格は税込6980円

Nature「Nature Remo mini 2」。価格は税込6980円

対応家電、搭載センサーの異なる4モデルを用意

現在シリーズでは、「Nature Remo 3」「Nature Remo mini 2」「Nature Remo 2」「Nature Remo mini」の4製品が現行モデルとして販売されている。

Nature Remo mini 2の進化点は、まずBluetooth Low Energyに対応し、セットアップが簡略化されたこと。ただし、Nature Remo 3のようにスマートロック「Qrio Lock」、めざましカーテン「mornin’ plus」との連携機能は利用できない。

ふたつ目の進化点はNature Remoシリーズのデザイン上のアイデンティティーだったボディー天面の丸いLEDライトを廃し、側面に小さなLEDライトを配置したこと。Natureによれば「寝室でも光を気にせずに使いたい」というユーザーの声に応えた変更とのことだが、側面のLEDは直接覗き込まないと点灯しているのかわからない。詳しくは後述するが、この仕様変更については評価が分かれると思う。

3つ目の変更点はNature Remo miniと比較して、赤外線の飛距離が約2倍に強化されたこと。広い部屋でも確実に家電をコントロールできるようになったわけだ。

Nature Remo mini 2の付属品は、取り扱い説明書とUSBケーブル(1.5m)のみ

Nature Remo mini 2の付属品は、取り扱い説明書とUSBケーブル(1.5m)のみ

本体天面。丸いマークは存在するが、従来モデルのようにLEDライトは天面に内蔵されていない

本体天面。丸いマークは存在するが、従来モデルのようにLEDライトは天面に内蔵されていない

本体底面。上にあるのは壁掛け穴、左下にあるのはリセットボタン

本体底面。上にあるのは壁掛け穴、左下にあるのはリセットボタン

端子はmicroUSB。右にあるのはステータスランプ

端子はmicroUSB。右にあるのはステータスランプ

  1. 6980円のスマートリモコン「Nature Remo mini 2」実機レビュー

SSID選択・パスワード入力を省略したことで、セットアップが快適化

Nature Remo mini 2自体のセットアップの流れは下記の通り。

モデルの選択→USBケーブルを挿す→Bluetooth使用を許可→セットアップの実行→Wi-Fiパスワードの入力→設定完了

従来モデルではセットアップ時にNature Remo自体のSSIDを選択して、パスワードを入力しなければならなかった。一方Nature Remo mini 2では、多くのWi-Fiネットワークの候補から接続先を選ぶ必要がなくなり、パスワードを入力する手間をひとつ省けたのは、ネットワーク機器の設定に慣れていない方にとって大きな進化だ。

「Nature Remo」アプリでアカウントを作成したあとに、「Remoをセットアップする」を実行すると、Bluetoothの使用許可を求められる。ここで「OK」を押せば、Nature Remo mini 2とNature Remo 3はデバイス一覧に自動的に表示される。旧モデルのようにSSIDを選び、パスワードを入力する必要はない

「Nature Remo」アプリでアカウントを作成したあとに、「Remoをセットアップする」を実行すると、Bluetoothの使用許可を求められる。ここで「OK」を押せば、Nature Remo mini 2とNature Remo 3はデバイス一覧に自動的に表示される。旧モデルのようにSSIDを選び、パスワードを入力する必要はない

LEDライトはやはり天面にあってほしい

LEDライトの変更は、個人的には使い勝手が悪くなっていると感じた。従来モデルのLEDライトが明るすぎるという意見があること自体は理解できる。しかしネットワークや、Nature Remoのサービスのトラブルが発生した際にすぐ気づけるように、LEDライトはある程度目立ったほうがいい。

もし寝室で光を気にせず使えるようにするのであれば、正常に動作しているときはLEDライトを減光する、もしくは消灯するなどの設定を用意してもよかったと思う。側面のLEDライトはNature Remo mini 2だけの仕様であってほしいというのが率直な感想だ。

これは初代のNature Remo。部屋を暗くしていると、LEDライトが点灯したときに煩わしく感じることはある

これは初代のNature Remo。部屋を暗くしていると、LEDライトが点灯したときに煩わしく感じることはある

Nature Remo mini 2のLEDライトは小さく、側面に配置されている。なんらかのトラブルが起きているときにすぐ気づけず、ストレスがたまりそうだ

Nature Remo mini 2のLEDライトは小さく、側面に配置されている。なんらかのトラブルが起きているときにすぐ気付けず、ストレスがたまりそうだ

赤外線は壁に反射させても軽く7m(実測)まで到達

Nature Remo mini 2の進化点で個人的に最も気に入ったのが、赤外線の飛距離が約2倍に強化されたこと。Nature Remo mini 2の赤外線の飛距離について、スペック表に具体的な記載はないが、筆者が実際に試したところ壁に反射させても軽く7mは到達していた。反射による減衰がなければ、もっと遠くまで到達しているはず。部屋の中央のテーブルや壁などに設置しておけば、よほどの大豪邸でなければ部屋全体の家電をカバーできるはずだ。

仕事部屋から出ても4m強の距離しか確保できないので……

仕事部屋から出ても4m強の距離しか確保できないので……

壁の反射を利用して7m強の距離をとってリモコン操作してみたが、まったく問題なくディスプレーをオンオフできた

壁の反射を利用して7m強の距離をとってリモコン操作してみたが、まったく問題なくディスプレーをオンオフできた

Bluetoothを搭載しているのにQrio Lock、mornin’ plusと連携できないのは残念

Nature Remo mini 2は赤外線通信を利用するスマートリモコンとしては上位モデルと遜色ない。ただ、湿度・照度・人感センサーを利用する機能はともかく、せっかくBluetoothを搭載しているのにスマートロック「Qrio Lock」、めざましカーテン「mornin’ plus」と連携できないのは残念だ。ハードウェア的に可能であるなら、ぜひともBluetooth機能をNature Remo 3と同等にアップグレードされることを期待したい。

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カテゴリー:IoT
タグ:Apple HomePod mini(製品・サービス)Amazon Echo(製品・サービス)ガジェット(用語)Google Nest(製品・サービス)スマートリモコン(用語)Nature(企業)Nature Remoレビュー(用語)日本(国・地域)

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TechCrunch Japan

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