90年代の思い出がまた1つ消える―Winamp、15年の歴史に幕

90年代にパソコンを持っていてMP3で音楽を聴いていた読者ならWinampでプレイリストを作ったことがあるに違いない。NullsoftはWinampをAOL(TechCrunchの親会社)に8000万ドルで売却した。その後オンライン音楽はすっかり様変わりしたが、Winampがずっと健在であるというのはなんとなく安心感を与えてくれた。

しかしそれも終わる。Winampは閉鎖される。ウェブサイトを始め、すべてのWinampのサービスは12月20日に停止される。同時にデスクトップ・プレイヤーのダウンロードも終了する。

Winampを覚えていない読者でもインストールしたときのMP3再生のデモ画面は記憶にあるかもしれない。例の「リャマの尻にムチを入れる」というやつだ。

Nullsoftの最初の社員でWinamp担当の最初のゼネラル・マネージャーを務めたRob Lordが去年Ars Technicaのインタビューで語ったところによると、 AOLの買収直後に起きた経営の失敗がなければWinampがiTunesになっていても不思議ではなかったという。

AOLはWinampの運営を続け、2010年にはAndroid版を出し、2011年にはフル機能のプレイヤーを含むWinamp Sync for Macをローンチした。しかし将来戦略は見えなかった。Winampのブログは去年から更新が止まった。Ars Technicaの記事からすると、AOLは最初から最後までWinampをどうするかはっきりした考えがなかったようだ。

Winampのプレイヤーを記念に取っておきたいなら、すぐにダウンロードした方がよい。1999年にNapsterからダウンロードしたMP3ファイルをインポートしてしばし追憶に浸ってみてはいかがだろう。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


投稿者:

TechCrunch Japan

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