AdhereTech、患者が確実に薬を服用するワイヤレス錠剤ボトルを開発

処方薬の正しい服用は米国における大きな問題であり、医療システムは年間数億ドルの負担を強いられ、医師の指示に従わない患者に合併症をもたらすことも多い。AdhereTechというスタートアップが問題の解決に乗り出した。ワイヤレス錠剤ボトルが患者に服用すべき時を知らせ、服用状況と投与量を記録する。

今日(米国時間1/7)CESのハードウェアバトルでデビューしたAdhereTechの錠剤ボトルは、服用遵守率を向上し、服用忘れや投与量の誤りによるコストを削減することを目標にしている。ワイヤレスでクラウドサービスを利用して服用データを収集し、患者に正しく薬剤が投与されているかを確認する。

この問題は現実だ。処方された6ヵ月後に指示通り薬を服用しているのは、患者のわずか約半数だ。多くの人々特に高齢者の場合、それは物忘れによる。しかし、患者の中にはわざと飲まなかったり、医師の処方より多く服用する者もいる。

その結果医薬品メーカーの売上は減少するが、もっと重要なのは、患者の健康問題が再発するリスクだ。AdhereTechの解決策は、錠剤ボトルを通じて服用状況をリアルタイムで監視し、患者を継続的に追跡する。

AdhereTechボトルは、薬をのむ時間がくるとテキストメッセージか電話、あるいはボトル自身のランプを点滅させて患者に警告する。さらに内蔵のワイヤレスCDMAチップで少量のデータを送信して、いつボトルを開けたか何錠服用したかを記録する。

ボトルのバッテリーは約45日間持続し、減ってきたら充電できる。薬剤師がこのボトルを患者に渡してひと月使い、翌月薬を補充する際に充電済みボトルの交換するという考えだ。

同社は薬品会社との提携を計画しており、特に、非常に高価な薬品を患者が正しく服用するために使用することを考えている。薬品会社はボトルを薬局に配布し、そこから患者に渡される手はずだ。




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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


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TechCrunch Japan

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