Adobe、 Creative Cloudをメジャー・バージョンアップしてPhotoshopで3Dプリントをサポート―新たに30日無料試用できる

今日(米国時間1/16)、Adobeは定期購読ベースのCreative Cloudのメジャー・アップデートをリリースした。 さまざまな新機能が追加された中でも、目玉となるのはPhotoshopでの3Dプリントのサポートだ。

その他の主要なアップデートとしてはPhotoshopでは写真の歪みの補正、Illustratorではフリーハンドで直線や曲線が描きやすくなった新しいペンシル・ツールなどがある。また InDesignではEPUBのサポートが改良された。またフォントツールのTypekitではフォントがどんなデスクトップアプリからもアクセスできるようになると同時にPDFファイルや印刷用ファイルにフォントを含めることが可能になった。

このアップデートを機に、Adobeはすべての30日間試用の期限をリセットした。つまり2012年の5月のローンチ以降、この30日間無料試用に登録したユーザーは今後さらに30日の無料試用ができる。

今回のアップデートが極めて広範囲で大幅なものになったため、Adobeでは以前のバージョンを試用したユーザーにも再度、最新版を体験してもらいということのようだ。

Photoshopで3Dプリント

しかしなんといっても今回のアップデートで最大の注目はPhotoshopが3Dプリントをサポートするようになったことだろう。

ただし、Photoshopでは簡単な3Dモデルを作ることはできるが、このアプリケーションの本来の目的がそこにないことは明らかだ。この点についてはAdobe自身もはっきり認めており、モデリング自体はサードパーティのツールを利用し、そのデータをPhotoshopにインポートするようユーザーに勧めている。つまりユーザーは3Dモデルにテクスチャーを追加したり、Phontoshopお得意の細部の精細な仕上げを行うのにこのアプリを利用することになる。

Adobeによれば、新しいPhotoshopは3Dモデリングと3D出力の中間段階を処理するのに最適な環境を提供するという。PhotoshopはOBJ、STL、3DS、Collada、KMZなどほとんどあらゆる3Dフォーマットをインポートして3D出力することが可能だ。これには3Dプリント時に必要とされる枠組み、支柱などの付加も含まれる。また3D出力にあたって障害となるような点も事前に発見してくれるので、ユーザーは出力の失敗で時間と材料を無駄にせずにすむ。

またAdobeは3Dプリンタの大手、MakerBotと提携し、Photoshopから同社の3Dプリンタにネーティブで出力できるようになった。また3D出力サービスのShapewaysとも同様の提携をしている。Shaspewaysの場合はPhotoshopから色彩、素材などに応じた詳細な仕上げリプレビューができるだけでなく出力料金の概算も行われる。しかもこうした3Dプリント処理がほとんどワンクリックの容易さで実行されるという。

MakerBot以外にもAdobeは他の主要なデスクトップ3Dプリンタをサポートしており、またAdobeがまだサポートしていない場合でもユーザーが自身でデバイスプロファイルを作成することが可能だ。

Adobeには現在3Dモデリング・ツールはないが、今後Photoshopの機能ないし独自のアプリとして3Dモデリングが提供されるようになるかもしれない。

パースペクティブ・ワープ

3Dプリントに加えてPhotoshopには2013年5月にMAXカンファレンスでデモされたパーステペクティブ・ワープと呼ばれる新機能が加えられた。

この機能は今週Adobeのデザイン・エバンジェリストのTerry Whiteがプレスカンファレンスでデモをしたが、 異なるアングルで撮影された写真を合成するのに非常に有効だ。Photoshopには従来から多数のワープ・ツールが存在するが、どれもパーステペクティブを操作すると直線が曲線に歪んでしまうという問題があった。

Adobeではこの機能は主に既存の写真のレンズ歪みの補正や複数の写真の合成に使われるものと想定しているが、野心的なデザイナーはきっと何か斬新な利用法を考え出すことだろう。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。