Adobe、2020年末でFlashのサポートを終了と発表

今日(米国時間7/25)、Adobeはその昔インターネットの世界で普遍的だったFlashのサポートを終了する計画を発表した。多くの人々がFlashプラグインでYouTubeのジャスティン・ビーバーのビデオを初めて見たり、KongregateのDolphin Olympics 2をプレイしたりしたはずだ。 しかしAdobeは2020年の年末をもってFlashのアップデート及び配布を終了する。

それまではAdobeはAppleMozilla,、MicrosoftGoogle等々と提携してFlashのブラウザ・プラグインの配布とサポートを続ける。ただしセキュリティー・アップデートを行うのみでFlashに新機能を追加することはしない。

また、ライセンスを受けていない古いバージョンのFlashが広く使われている地域では、AdobeはFlashのサポート終了を一層強力に進めるという。

もちろんFlashのサポート終了は予想されていた事態だ。きわめて広い範囲で使われている(かつ時代遅れになったバージョンがそのままになっている)ため、Flashは世界中でハッカーの攻撃のターゲットになっている。そうしたFlashプラグインは穴だらけで、ハッカーがコンピューターを乗っ取るために無数の方法を提供している。

そうたことがあってAppleはFlashをモバイルでは一度もサポートしなかった(ジョブズがFlashを批判した2010年の公開書簡が有名だ)。新世代のブラウザとHTML5の普及もFlashの死期を早めることとなった。最近のブラウザにはFlashの機能が組み込まれており、Adobeのプラグインを必要としない。実はAdobe自身も他のプレイヤーにも増してFlashを厄介払いしたがっていた。実際、2015年以降、Adobeはその意味のことを言っている。

同様にブラウザのベンダーもここ数年Flashのサポートを終了させる努力をしている。GoogleはChromeのFlashプラグインをクリックして作動するタイプに切り替えた。つまりユーザーはFlashを使うために明示的な意思表示をすることが必要となった。他の主要なブラウザの場合もほぼ同様だ。

こうした新世代ブラウザの場合、HTML5にできなくてFlashにのみできることというのはほとんどない。Adobeもプレス会見で「Flashに依存している会社の数はここ数年着実に減少している」と述べている。にも関わらず、Flashは教育とゲームの分野でまだ利用者が残っており、たとえばFacebookはゲームのデベロッパーがオープンなウェブ規格に準拠することを助けるプロジェクトを発表している。【略】

画像: Bryce Durbin

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

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TechCrunch Japan

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