AIを活用したセールスチーム向けビデオ通話プラットフォームのUniqueが約6.8億円を調達

Uniqueの創業者2人(画像クレジット:Unique)

AIを活用してセールスチームの商談を改善するビデオ通話プラットフォームのUniqueが、シードラウンドで多くのエンジェル投資家から600万ドル(約6億8000万円)を調達した。このラウンドには米Fyrfly Venture Partnersの創業者でゼネラルパートナーのPhilipp Stauffer(フィリップ・スタウファー)氏、Daniel Gutenberg(ダニエル・グーテンバーグ)氏などが参加した。

Uniqueは顧客との会話をAIで分析する。会話を録画したビデオは、セールス担当者が最適な商談をするために役立てられる。

Uniqueは12種類の言語で動作し、その中には難しいスイスドイツ語も含まれる。同社によれば、このサービスの利点はセールス担当者のトレーニング時間を短縮し、パフォーマンスを向上できることだという。また、セールスのビデオ通話の中から重要な瞬間を見つけて「Deal Room」という場所で安全に共有することで、買い手側がそれを後から参照したり自分のチームに共有したりすることもできる。

Uniqueを起業したのはシリアルアントレプレナーのManuel Grenacher(マヌエル・グリナハー)氏とAndreas Hauri(アンドレアス・ハウリ)氏で、両氏はB2BのSaaSスタートアップであるCoresystemsでセールスチームを編成して率いた経験がある。CoresystemsはSAPに買収された。

グリナハー氏は次のように述べた。「リモートワークやハイブリッドワークが続き、セールスチームは顧客や見込み客、同僚や上司と離れることが多くなっています。そのため、顧客とつながりを持つことができず、チームから学んだりフィードバックをもらって準備を整えたりするのが難しい状況です。我々はセールスのプロセスを刷新するためにUniqueを作っています。AIを活用して会話を分析することで洞察や関係性の上で重要な瞬間を見つけ出し、セールスチームと顧客がより深く生産的な関係を構築できるように支援します」。

投資家のフィリップ・スタウファー氏は次のように述べた。「セールスチームのオートメーションと会話型インテリジェンスが交わる分野は、Fortune 500企業が導入する優先順位と成長率の両面で急成長していくでしょう。セールスの成果を伸ばす価値創造のチャンスは極めて大きいものです」。

Uniqueの競合にはGong.ioやPeople.AIがある(どちらもユニコーンだ)。Uniqueに優位性があるとすれば「Deal Room」のアプローチと、ヨーロッパで構築されたためGDPRの厳しいプライバシー規則に準拠していることだ。セールスチームがUniqueを使い始めたら、Zoomの市場にも食い込んでいくかもしれない。

原文へ

(文:Mike Butcher、翻訳:Kaori Koyama)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。