AIロボットCozmoのメーカーAnkiがSDKを公開、最終的には子どもやノンプログラマーも対象とする

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最初のCozmoたちの、Pixarからヒントを得たような目に、世界が見えるようになるまで、あと数か月待たなければならないが、メーカーのAnkiはすでに、この小さなロボットのための大きなプランを公表している。その最初は、ハッカーやメイカーや研究者たちをターゲットとするSDKの大々的なローンチで、それは10月のローンチと同時期になる。

ソフトウェア開発キットの展開は三段階から成り、SDKはその最初の段階だ。その次の段階は、K-12の教育者(教師)と児童生徒が対象、そして三つめの段階は商用アプリのデベロッパー向けだ。これらのスケジュールは明確ではないが、同社のHanns Tappeinerによると、第二第三の段階は2016年後期から2017年初期にかけてだ。

Tappeinerはこう説明する: “Cozmoの開発にはすでに4年半あまりを費やしている。消費者向けロボットとしてはもっとも高度なものの一つになるだろう。SDKを作ることは、かなり容易な作業だった”。SDKはPythonで書かれていて、それらがこの元気なかわいいロボットの100万行にもおよぶコードにアクセスする。それによりデベロッパーは、顔認識や歩行経路の計画、3Dモデリングなどの複雑なアクションを、ほんの数行の簡単なコードで書ける。

Ankiの構想は、さらにもっと大きい。Tappeinerによると、CozmoのSDKはロボットプログラミングを大々的に大衆化し、同社が数年かけて開発してきたシステムを小中学生でも自分のプログラムで利用できる。ユーザーにはできるかぎり多くを提供し、ほとんど制約なく、Cozmoのコードにアクセスできるようにしたい、とTappeinerは言っている。プログラマーにとっての利用価値とともに、初めてプログラムを書く人たちにも使えるようにしたい、というのだ。

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Tappeinerは語る、“ロボットという分野を、もっと一般的なものにしたい。どんな産業でもそうだと思うが、それが実験室から一般社会に大きく拡散して、非専門家でもアイデアやフィードバック等で貢献できるようになれば、それでやっと、一人前の産業と言える。2007年に、スマートフォンが大変身したように、ロボットも、そろそろそうなるべきだ。今やスマートフォンでは、専門のデベロッパーだけでなく、アーチストや化学の専門家など、いろんな人がアプリを作っている。そうなって初めてその産業は、爆発的に成長していくのだ”。

SDKは最初ベータでリリースし、いろんなフィードバックを得てから、消費者デベロッパーも対象とする最終リリースへ向かう。同じ期間にAnkiは、アプリの配布の形式も検討する。新たにアプリストアを作るべきか、それともiOSやAndroidなどの既存のアプリストアを利用すべきか、など。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

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TechCrunch Japan

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