AI解析で学習時間を短縮するatama plusが中高生向け英文法コンテンツを拡充

atama plusは7月18日、同社が開発したタブレット型AI教材「atama+」に、中学生向けの「英文法」のコンテンツを追加した。サービス開始当初からある高校生向けの「英文法」と合わせ、中高生向けのアダプティブラーニング(学習者一人ひとりに個別最適化された教材を提供する学習方法)による英文法の習得をAIを活用して学習環境を効率化する。
 
日本の英語教育は2020年度の大学入試から、従来の「聞く」「読む」に加え「話す」「書く」も含めた英語4技能が導入される。atama+はこの変更を受け、これら英語4技能を身につけるうえでの土台として「英文法」を最重要視して最短時間で習得することに特化した教材を開発したそうだ。
 
同社は、英語の文章を、基本文型、時制、動詞/助動詞、態、準動詞(不定詞・動名詞・分詞)など、さまざまな文法要素ごとに分解することで、個々の学習状況によってつまづきの原因を特定する。例えば「Was the door locked last night?」(昨夜、ドアは鍵がかかっていましたか?)という英文でつまずいた場合、従来の頭に叩き込む反復学習ではなく、具体的な原因を特定するのが特徴だ。具体的には、理解できていないの要素を、受動態、疑問文、過去形などに絞り込んで分析・診断のうえ、復習に適した教材・体系的なカリキュラムをAIが推薦してくれる。同社によると「つまずきの原因を効率的に解消していくことで、英文法が最短で身につく内容となっています」とのこと。
 同社は5月にジャフコ、DCMベンチャーズのそれぞれが運用するファンドを引受先とする15億円の第三者割当増資を発表し、累計調達額は約20億円となった。国内では教育系スタートアップがなかなか育っていない中、atama+は栄光や学研塾ホールディングス、ティエラコムなど500以上の教室に導入されている。さらに今年からは、駿台教育センターでは「AI演習講座」、Z会エデュースでは「AI最速定着コース」、城南進学研究社では「城南予備校DUO」として、atama+に特化したAI学習コースも開設されるなど、同社の活躍は目覚ましい。

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TechCrunch Japan

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