Airbnbが新たに調達した資金で長期滞在の機能を強化

Airbnbは、ビジネスの成長部門に投資しようと、ランディングページに手を加え、長期滞在にフォーカスした新機能を導入する。

数日前にAirbnbのCEOであるBrian Chesky(ブライアン・チェスキー)氏は10億ドル(約1085億円)の資金調達や、3つのコアプロダクトに注力する計画を発表していた。コアプロダクトとはホスト、長期滞在、Airbnbエクスペリエンスだ。同社は10億ドル(約1085億円)をプライベートエクイティファンドのSilver LakeとSixth Street Partnersから債権と株式で調達した。

チェスキー氏は4月6日に、人々とつながり旅行したいという欲求は強まっており「それを具現化する方法は世界が変化するにつれて明らかになるだろう」との考えを示した。

Airbnbは人々の動きがどのように展開されるかを占っている。同社の予測では、その動きは長期滞在に向かう。Airbnbが公開した最近のデータがそうした考えを裏付けている。3月下旬の2週間、居住地と同じ町に長期滞在を予約したゲストの数は倍近くにのぼった。一方、Airbnbホストの80%が長期滞在を受け入れ、同社のリストにあるアクティブ物件の半数が1カ月以上の長期滞在を割引価格で提供している。

4月9日からAirbnbはランディングページで長期滞在をアピールする。同社はホスト向けに長期滞在の利点を案内する通知や、長期滞在の予約を受け付けるリスティングを更新するためのガイドを立ち上げた。ホストがリスティングを管理するのに使うポータルの中に機能を導入することも決めた。

同社によると、4月9日の新しいランディングページ立ち上げ時に、1カ月単位の滞在を提供する物件は100万件超となる見込みだ。これらの物件はキッチンや洗濯機、Wi-Fiなど長期滞在に必要なアメニティが備わっている。

新型コロナウイルス(COVID-19)は旅行産業を崩壊させ、と同時にヘルスケアワーカーや他の必要不可欠な職に従事する人が居住自治体に滞在するための場所を確保する必要性も生み出した。そして長期滞在分野の成長につながった。

しかしこの傾向はすでに2019年から見られていたようだ。Airbnbによると、2019年に予約された滞在7泊のうち1泊は長期滞在のものだった。

長期滞在の強化は、従来の1年単位での賃貸を扱う不動産管理会社との競合につながる。Airbnbの長期滞在は従来型の賃貸のようになっているという、いくつかの証拠がすでにある。

学生や医師、看護師、あるいは長期契約の仕事を請け負う人がAirbnbで6〜9カ月滞在できる物件を探すケースが増えている、とAirbnbは話した。2020年はすでに滞在600日以上の予約があり、今年これまでに予約されたものの中で最も長い滞在は700日超だったという。

長期貸しの促進が法的な措置につながるかどうかは不透明だ。同社は米国や欧州の自治体、観光協会と裁判で争ってきた。2019年12月に欧州の最高裁判所が、Airbnbは本格的な不動産エージェントというより、短期宿泊の設備を探す人々をつなげるオンラインプラットフォームだという考えを示し、同社は重要な法的ハードルをクリアした。この裁定によって、自治体当局はAirbnbに自治体の財産法遵守を強制するのが難しくなること考えられる。

画像クレジット: Phillip Faraone / Stringer / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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