AirPods初の広告はiPodの”あの”CMを彷彿とさせる

iPhoneやiPad、Apple Watchが注目されるようになってから、Appleの広告もほとんどがこの3製品にフォーカスした内容になってしまった。だからこそ、AppleがAirPodsのような周辺機器で新しいことを試しているのを見ると嬉しく感じる。

Appleは本日、iPodの黄金期を彷彿とさせるような新しい広告を発表した。なんとも表現しがたい内容だが、ひとつだけ言えるのはこのCMがあのiPodを象徴するCMのことを想起させるということだ。おそらくその理由は、目につく白いイヤホンを身に付けた人が、タガが外れたように踊っている様子を描いたCMの構成にある。

iPodは間違いなく、Steve Jobsのカムバック以降初めてAppleが発表した大衆向けデバイスだ。新しくてとんでもなくかっこいいそのデバイスは、当時のコンシューマー向け電子機器としては珍しい存在だった。

ここ最近ではiPodのアップデートに関する話を聞かないが、私はいつも2004年から放映されだしたiPodのオリジナルCMのことを思い出す。シルエットがメインのこの広告は数年間利用され、Appleがこれまでにつくった広告の中でも伝説的なもののひとつだ。発表から10年後でもその内容を覚えているということは、何か特別なものがあるということだと思う。

その後時は流れ、Appleは今回発表されたAirPodsのCMの背景を、当時のカラフルなものから、白黒の都会(メキシコシティ)の風景へと変更した。フリースタイラーのLil’ BuckだけがBGMに合わせて踊っている様子からは、これまでのiPodのCMよりも洗練された印象を受ける。

例えば、文字では何も表現されていないにも関わらず、このCMからはAirPodsの機能が余すところなく伝わってくる。AirPodsはケースを開けるだけでペアリングが完了するのだとわかるし、踊っても耳からイヤホンが落ちないということもよくわかる(個人的な経験からいって、イヤホンの装着感は人によるが)。さらにAirPodを耳から外すと音楽が自動的にストップするということも伝わってくる。

もっと重要なのが、ユーザーはついにイヤホンのことを心配せずに動き回れるということだ。AirPodにはケーブルがないので、狂ったように腕を動かしたければ、問題なくそうすることができる。

これこそ私がAirPodsの特徴で最も気に入っている点だが、実際に体験してみたいとこの感動はなかなかわからないだろう。しかしこのCMからは、ダンサーが建物の壁を登りながら踊っているように、AirPodsがユーザーを自由にするということが視覚的に伝わってくる。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter