AkamaiがLinodeを1040億円で買収

米国時間2月15日、コンテンツデリバリーネットワーク(CDN)のプロバイダーとして知られ、セキュリティやエッジコンピューティングのサービスも提供しているAkamai(アカマイ)が、Linode(リノード)の買収発表した。買収金額は9億ドル(約1040億円)で、AkamaiはLinodeが2022年の会計年度中に約1億ドル(約115億6000万円)の収益をもたらすと予想している。

2003年にローンチしたLinodeは、手頃な価格で仮想プライベートサーバー(VPS)をレンタルできるサービスとして、瞬く間にその名を広めた。それは、AWSがクラウドコンピューティングを流行語にする少し前のことだが、当時は自分のウェブサイトや基本的なウェブアプリをホストするには、VPSが適していたのだ。それ以来、ハイパークラウドやDigitalOcean(デジタルオーシャン)のような競合他社が出現し始めたため、Linodeは提供するサービスを拡大し続けた。競合他社とは異なり、Linodeは自己資金で創業し、外部からの資金調達を一切行わなかった。

現在、Linodeは開発者が期待するようなすべてのコアクラウドサービスを提供している(初期のVPSプロバイダーのほとんどがそうしている)。これには、計算処理だけでなく、ブロックおよびオブジェクトストレージ、マネージドデータベース、ロードバランサー、そして最近では、コンテナ化されたアプリケーションを実行するためのマネージドKubernetesサービスも含まれている。

画像クレジット:Linode

Akamaiによれば、この買収は「クラウドからエッジまで、世界で最も分散されたコンピュートプラットフォームになる」ためだという。

AkamaiのCEOで共同創業者であるTom Leighton(トム・レイトン)博士は発表の中で「Linodeの開発者フレンドリーなクラウドコンピューティング能力と、市場をリードするAkamaiのエッジプラットフォームおよびセキュリティサービスを組み合わせる機会は、Akamaiに変革をもたらします」と述べている。さらに彼は「Akamaiは20年以上にわたってエッジコンピューティング事業のパイオニアでしたが、本日クラウドからエッジまでのアプリケーションを構築、実行、および確保するための独自のクラウドプラットフォームを生み出すことで、弊社の歴史に新しいページを加えられることに興奮しています。これは開発者にとって大きな勝利です。開発者は、これまでにないスケール、リーチ、パフォーマンス、信頼性、セキュリティを提供するプラットフォーム上で、次世代のアプリケーションを構築することができるようになるのです」と続ける。

Linodeは当面はこれまで通りの運営を続ける予定で「私たちを成功に導いたものを(Akamaiは)変えるつもりはありません」と述べている。

Linodeの創業者、Christopher Aker(クリストファー・エイカー)氏はこう語る「AkamaiとLinode の間には、互いの使命や文化だけでなく、持ち寄れる強みを組み合わせることで生まれる自然な相乗効果があります。Linode のコンピュートおよびストレージ製品と、アカマイのサーバーレス、CDN、およびセキュリティソリューションを組み合わせることで、お客様は次世代のアプリケーションを構築、更新、拡張するための幅広いサービスを利用できるようになるのです」。

Linodeとは異なり、Akamaiはこれまで開発者向けのセルフサービス型 SaaS 製品をあまり提供してこなかったが、いまや市場ではかなり期待されている。今回の買収によって、Akamaiは、過去に多少のセキュリティ上のミスはあったものの、多くの開発者から長年にわたり本業・副業を問わず利用されてきた高評価の企業を手に入れ、この分野の足場を固めることになる。

今後の計画については、両社に問い合わせているところだ。

画像クレジット:Suzanne Kreiter/The Boston Globe via Getty Images / Getty Images

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:sako)

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TechCrunch Japan

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