Alexaデバイスを誰でも気軽に開発できるためのキット(音声入力/認識の部分)をConexantが提供、数か月の開発期間が数週間に短縮

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Amazonの音声アシスタントAlexaは、一般的な知名度と関心があるから、ハードウェアをAlexaをベースとして作るのは良い考えだが、それを上手にやるのは難しい。そこで、消費者電子製品業界のサプライヤーであるConexantは、その工程の最初の方を楽にするために、数メートル先からの音声を正しく認識させるための開発キットを作ろうとしている。その主要部分は、二つのマイクロフォンとRaspberry Piだけだ。

そのキット、Conexant AudioSmartには、同社の最新製品である音声入力プロセッサーが使われているから、音声認識の内蔵も可能だ。それはいわば、ハードウェアのいちばんベースの部分であり、その上にAlexaを利用する製品を作っていく。ハードウェアのメーカーは、音声を聞くとか認識するという部分を、自分で作らなくてもよい。

Amazonと協働したConexantは、これからAlexaデバイスを作ろうとするハードウェア企業の、開発の初めの方の時間をカットするためにこのキットを作った。これがなければ6か月あまりかかる開発期間が、わずか数週間に縮小した。Conexantはこのキットをベースとする部品等をデバイスのメーカーに売れるし、AmazonはAlexaを、同社の馬小屋にいるスピーカー(Echo等)を超えた広い世界に普及させられる、という格好のwin-win関係だ。

AmazonがAlexaを一般のガジェットメーカーに公開したのはまる一年前だが、まだAlexaをサポートするサードパーティ製のハードウェアはとても少ない。開発期間を容易にカットできる方法を提供すれば、やる気になり腰を上げるメーカーも増えて、これまでの冴えない歩みが一挙に変わるかもしれない。

Conexantのキットは299ドルだ(Raspberry Pi 3は別売)。Echoが199ドルだから、高いという気もするが、キットはあくまでもプロトタイピングのためのコンポーネント、と考えるべきだ。最終製品のコストにはならない。ハードウェアを完全にスクラッチから作ったり、独自のハードウェアを使って音声認識の部分を作ったりしていれば、もっと膨大な開発費用を要する。Conexantのハードウェアは、騒音のある部屋で音声コマンドを聞き分けられるようにセットアップできる。これも各メーカーが自分でやろうとしたら、たいへんだ。

Alexaデバイスの開発と生産過程を高速道路の走行にたとえると、このキットはそこに上がるための進入ランプの部分を提供する。高速に上がってしまえば、あとは早い。うまくいけば、Alexaの音声サービスが、いろんなガジェットやアクセサリに内蔵されて、広く普及していくだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))