Amazon、AWS Cloud9をリリース――デベロッパーはブラウザからクラウドソフトの開発ができる

今日(米国時間11/30)、ラスベガスで開催されている恒例のre:Inventカンファレンスで、ブラウザ版のIDE、AWS Cloud9をリリースしたと発表した。Cloud9はAmazonが去年買収した IDEで、Ace Editorをベースとしている。Cloud9での作業はc9.io IDEを使う。

TechCrunchがAWSによるCloud9の買収を最初に報じたとき、Amazonは確認を避けた。しかし今や確認できたといっていいだろう。

Cloud9そのものは、Sublime Textなどこの種の他のIDEと根本的に異なるわけではない。しかし今日のイベントのキーノートでAWSは複数のデベロッパーによる共同作業に適していること、AWSのエコシステムに深いレベルで統合されていることをCloud9のメリットとして強調した。このツールには JavaScript、Python、PHPを始めとする言語のサポートがビルトインされている。またデバッグ・ツールもプレインストールされている。

AWSはこのツールは「最初のクラウド・ネーティブのIDEだ」と主張したが、この点についてはやや疑念が残る。既存のライバルにもクラウド対応機能を持つものはある。しかしCloud9がAWS環境に統合されていることは事実だろう。「デベロッパーはCloud9を用いてクラウドベースのソフトウェアを開発できるだけでなく、そのソフトをCloud9内からAWSのインスタンスとして動かすことができる」とAWSのCTO、ヴァーナー・ヴォーゲルズは強調した。Cloud9はラムダ関数のデバッグをサポートしているので全面的にサーバーレスを目指すデベロッパーにとっては好都合だろう。

いずれにせよCloud9の最大のセールスポイントはAWS自身の製品であることだろう。MicrosoftやGoogleなどAWSのライバルがやはりクラウドやモバイルのデベロッパー向けにそれぞれ自社のIDEを提供しているのも全く同じ理由だ(ただし、たとえばMicrosoftのVisual Studioには多数のサードパーティーのサービスが統合されている)。

〔日本版〕Cloud9は現在US West (Oregon)、US East (Ohio)、US East (N.Virginia)、EU (Ireland)、Asia Pacific (Singapore)の各リージョンで利用できるという。AWSにアカウントがある場合、サイインインしてこちらからダウンロードできる。



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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

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TechCrunch Japan

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