Amazon、KDPをだました出版社との仲裁を申請

Amazonは、Kindle Direct Publishing(KDP)システムを利用している出版社、マーケター、および著者らに対して、売り上げ数値を人為的に水増ししているとして非難してきたが、このほど米国仲裁協会(AAA)に仲裁申請を提出した。

Amazonは申請した書類(TechCrunchが入手済み、下記参照)で5件の仲裁を要求している。訴えによると、関係者は読み終わったページ数の水増し、偽カスタマーレビュー、偽ユーザーアカウントを作成して電子書籍をダウンロードするなどの方法によって、著者や出版社がAmazonから得るロイヤリティ金額を増やしていた。

訴えの中には、ある出版社が著者に対してAmazonベストセラーにすることを保証するために、翌日までに1万件の自動ダウンロードを行うサービスを利用してる疑いがあると指摘するものもある。

「KDPを利用している大半の著者や出版社は、電子書籍の出版や広報に真摯に取り組んでいるが、ごくわずかな者たちが詐欺行為によって不当な利益を得ている」とAmazon広報がTechCrunchに話した。「今日のニュースは、不正を行う者から読者と著者を守り、誰もが信頼を置けるサービスを提供するという当社の取り組みを反映したものだ」。

現在Amazonは、違反者に対する行為の差し止め命令を求めるとともに、「仲裁で確定する金額」の賠償金支払いを要求している。

これはKDPに関しては初めての事例と思われるが、Amazonはこれまでにもサイト上の詐欺行為に対して数多く裁判を行ってきた。2016年、Amazonは偽レビューを徹底追及し、金を払ってレビューを書かせた売り手を少なくとも3社訴えた

仲裁事件の書類5件を以下に貼った。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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