Amazonが倉庫用新型ロボット2種を発表

米国時間6月4日、Amazonは第1回re:MARSカンファレンスを開幕し、Boston DynamicsのMarc Raibert氏、Disney ResearchのMorgan Pope氏とTony Dohl氏という豪華なゲストを基調講演に招いた。午前のビッグイベントでは、再び自からの活動に焦点を当てた。同社のロボティクス事業だ。

Amazon RoboticsのBrad Porter副社長は壇上に登り、同社のフルフィルメントセンターの自動化を加速するべく作られた新しいロボット2体を披露した。その1体のXanthusは、同社が2012年にKiva Systemsを買収して以来、戦略の中核を担っていた主力ロボットを大きく改訂したものだ

モジュール性を特徴としているのはライバルのFetchらと同様だ。基盤となる駆動装置を使うことで、社内のロボティクスチームは、同じ基本システム上でさまざまな倉庫向けにカスタマイズしたロボットを開発できる。Amazonは、今週ラスベガスで行われるショウで、Xanthus Sort BotおよびXanthus Tote Mover台を展示する予定だ。

いずれもフルフィルメントセンターの中で荷物を移動する、という同じ仕事のさまざまな側面に着目している。今年同社は、米国内に広がる25のフルフィルメントセンターで10万台以上のロボットが稼働しており、これは配送をさらに早めようという小売業界巨人の戦略の一環だ。最近は、大部分の荷物を翌日配達することに力を注いでいる。

現在同社は、全世界のロボット台数を20万台に拡大したと言った。この数字には社内システムおよびサードパーティーシステムの両方が含まれる。

もうひとつの新型ロボットがPegasusシステムだ。これはKivaのロボティックドライブと同様の能力を持つが、Kivaが大型の棚を備えてフェンスに囲まれた「グリッド」の中を動き回っているのに対して、Pegasusは個別の荷物を仕分けして運ぶ。すでに800台のPegasusロボットが一部のAmazonフルフィルメントセンターに配置されている。

こうした個別パッケージ配送システムは倉庫内の効率をさらに高めると同社は考えている。

「我々は、安全性、品質、配送速度、および運用全体の効率を高めるソリューションとロボティクスを常に試験・試行している」と広報担当者がイベントで配られた声明文の中で言った。「当社の新しいPegasusドライブユニットは、仕分けのミスを減らし、損傷を極力抑え、配送時間を短縮する。Xanthusファミリーの駆動装置は革新的デザイによって技術者がさまざまな運用ソリューションを開発することを可能にした。すべて同じハードウェアに新しい機能アタッチメントを付加することで作られている。当社の運用ネットワークにロボティクスと新規テクノロジーを加えることで、今後も協力会社や顧客の満足度を高めていけると信じている」

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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