Amazonが秋に独自のTVセットトップボックスをリリースか

BloombergのBusinessweekの記事によれば、この秋Amazonは配信するコンテンツをリビングの大画面で楽しめるようにするセットトップボックスをリリースする計画だといいう。AmazonはすでにKindleプラットフォームを消費者に強力に売り込んでいる。Appleのファンシーさ、XBoxのゲーム機という本質、Google TVの中途半端さが好きでない消費者がターゲットだ。

もちろんセットトップボックスはすでに競争が非常に激しい市場になっている。 しかしAmazonはこうしたライバルにない強みを持っている。つまり消費者がテレビを見ている間に売り込める膨大な商品群を倉庫にストックしているという点だ。おそらくAmazonのサービスはテレビを見ながら直接、あるいはモバイルデバイスを通じてオンライン・ショッピングができるようになっているはずだ。たとえば古いテレビに飽き始めているときに、新しいテレビがクリックひとつで買えるとなったら、その誘惑に屈する消費者は多いはずだ。

Amazon TVでは興味ある独自番組も企画されているようだが、むしろホームショッピング2.0という側面が重要だと思う。

すでにサービスを開始しているスタートアップを買収するというよくある方法を使わず、AmazonはクパチーノのLab126で社内開発することを決断した。

AmazonはKindleシリーズをAmazon Primeの送料無料サービスのユーザーをターゲットして売り込みに成功している。Amazonにすでに定期的に金を払っているユーザーなら新しいプロダクトにさらに金を払う可能性が高いわけだ。もっとも映画やテレビ番組の配信に「送料無料」がどう関係があるのかは不明だが、消費者は満足しているようだ。

Kindleプラットフォームで一番人気が出ているのがオリジナル・コンテンツであるからにはセットトップボックスの開発は必然だったといえる。Amazonが人気のある独自番組をより多く製作することができれば、それだけAmazonの独自デバイスをテレビにつなぐ理由が増えるわけだ。これはAppleが既存のデバイスをテコにして新しいデバイスを売り込んできたのと同じ手法だ。Amazonはそのノウハウをよく研究したものとみえる。

Amazonの参入は遅すぎたという声も上がるだろうが、 Jeff Bezosは今回も他者の失敗を観察して学ぶという賢明かつ計算し抜いた戦略を取っていると思う。Kindleの成功もシンプルなペーパーバック的読書体験に機能を集中させたことが大きい。

[写真:Flickr]

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+