Amazonのゲームストリーミング「Twitch」視聴者は2021年に4000万人超との予測

米国時間2月20日に公表されたeMarketerの最新の予測によると、Amazonが提供するゲーマー向けストリーミングサービスのTwitchは、来年には月間アクティブ視聴者が4000万人を超える見込みだという。2023年には4700万人に達すると予測されている。eMarketerは、現時点で月に1回以上視聴する米国内の人数は3750万人と推計している。

Twitchは公式サイトで、月間アクティブクリエイターは300万人以上、視聴者は1日平均1500万人以上と発表している。しかし同社は分単位の視聴時間や同時視聴者数を重視して、規模と成長を表現している。

Twitchは米国で新規視聴者を増やしているが、今回発表された予測ではYouTube、MicrosoftのMixer、Facebook Gamingなどの競合が厳しくなった影響で成長が鈍化しているとされる。このことは先月発表された別のレポートでも裏付けられている。それによればTwitchから人気ストリーマーが流出し、2019年第4四半期にはこのことが視聴時間やストリーミング配信時間に影響を与え始めているという。

流出によってTwitchがナンバー1の座を明け渡したわけではないが、主要な数値を見ると成長のスピードは落ち始めている。

例えば昨年、トップストリーマーのTyler “Ninja” Blevins(タイラー「ニンジャ」ブレヴィンス)とMichael “Shroud” Grzesiek(マイケル「シュラウド」グゼシェック)がTwitchからMixerへ流出した。Jack “CouRage” Dunlop(ジャック「カーリッジ」ダンロップ)はYouTubeに、Jeremy “Disguised Toast” Wang(ジェレミー「ディスガイズド・トースト」ワン)とGonzalo “ZeRo” Barrios(ゴンザロ「ゼロ」バリオス)はFacebook Gamingに流出した。人気ユーチューバーDavid Dobrik(デイヴィット・ドブリック)のビデオに登場するチーム「Vlog Squad」のメンバーの1人、Corinna Kopf(コリナ・コップ)も12月末にTwitchからFacebookに移籍した

流出は2020年第1四半期も続き、Ronda Rousey(ロンダ・ラウジー)が2月はじめにFacebook Gamingと独占契約を交わした

このように流出が続いているにもかかわらず、eMarketerは2020年にTwitchが米国で前年比14.3%増と2桁成長を見せると予測している。ただし、2018年から2019年の成長が23.5%増だったのと比べると、成長の度合いは少ない。そして今後は成長の鈍化が続き、2023年には6.3%増にまで低下すると予測している。

eMarketerのレポートでは、ライバル各社が人気ストリーマーに好条件で移籍を働きかけているが、Twitchは流出を防ぐ必要があると強調している。またゲーム以外に広げていくための投資を続ける可能性もある。2019年はゲーム以外のトラフィックが相当多く視聴されたからだ。例えばStreamElementsによると、Twitchの「雑談」カテゴリーは、12月にはあらゆるゲームを上回って最も多く視聴され、1月も第2位だった。

eMarketerの予測アナリストのPeter Vahle(ピーター・ヴァール)氏は「(Twitchの)プラットフォームはライブストリーミングビデオ、そしてストリーマーと視聴者の交流を意図して作られている。こうした特徴は、ゲーム以外のコンテンツクリエイターにとって間違いなく興味をひかれるものだ」と指摘する。

調査会社がTwitchを定期的に見ている人数を推計したのは初めてだ。これは、Twitchが大きく成長しているという判断に基づくものだろう。

ヴァール氏は次のように述べている。「Twitchは大きくなりすぎて、インターネットの巨大企業にとって無視できない存在になった。Facebook、Google、Microsoftなどの巨大プラットフォームが、人気ストリーマーやeスポーツのリーグとの大型契約をめぐって争っている。魅力のある選択肢が増えてきた今となっては、Twitchはストリーマー、そして視聴者と広告主が自社のプラットフォームを使い続けてくれるように働きかけていく必要があるだろう」。

Twitchが視聴者数を増やす方策がもうひとつ考えられる。eMarketerのレポートでは触れられていないが、親会社であるAmazonとの協業だ。

AmazonのFire TV責任者、Marc Whitten(マーク・ウィッテン)氏は1月にTechCrunchに対し、Fire TVの2020年の計画に関する話の中で「Fire TVでのTwitchの視聴は、2019年にこれまでで最大の成長を見せた」と語った。

AmazonはTwitchとFire TVをさらに効果的に統合する方法を検討している。Fire TVのホームページにライブコンテンツが統合され、Twitchはライブストリーミングサービスだ。Fire TVの月間ユーザーは今や4000万人を超え、Amazonはちょっと方針を変えれば多くの視聴者を簡単にTwitchに送り込めるだろう。

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(翻訳:Kaori Koyama)