Amazonの独自スマートフォンの提携先はHTCとの情報

現在HTCは絶好調とはいえない。しかし新しい(秘密の)提携がうまくいったらツキも変わるかもしれない。Financial Timesによれば、HTCは他ならぬAmazonと何種類かのスマートフォンを製造するOEM契約を結んだ。これらのデバイスは早ければ来年にもAmazonのオンラインショップから発売されるという。

ただし「万事がうまく行けば」の話だ。FTは「開発スケジュールはすでに一回見直されている。またAmazonが製品を発売すると確約されているわけではない」と指摘する。

そうであってもHTCにとっては巨大なチャンスであることに変わりない。HTCに最高水準のハードウェアを開発できる能力があるのは疑いない。 HTCの主張によれば、最近の不調は主に消費者の抱くブランドイメージの問題から来ているのだという。HTCというブランドはAppleや Samsungほど消費者に強い印象を与えていない。アイアンマンのロバート・ダウニー・Jrを起用した巨額のPRキャンペーンを実施したのもこの弱点を補おうとしてのことだった。

実は以前にもHTCは大型提携を経験している。 HTCは2008年にGoogleと提携して最初のAndroidデバイスを開発した。 これが2年後にNexusスマートフォンを生むことになった。最近ではFacebookと提携してHTC Firstという最初の(そして今のところ唯一の)Facebook Homeをプレロードしたスマートフォンを作っている。HTCは零細なOEMメーカーとして出発したので、そのDNAが社風に色濃く残っているのかもしれない。

Amazonスマートフォンというのも年来噂になってきた製品だ。最近、何種類かのデバイスが開発されていることを裏付ける情報がリークされた。それらのリークの一つによると、Amazonはスマートフォン市場に一挙に参入しようとして2011年末にRIMの買収を検討したことがあるという。

AmazonというブランドとKindle Fireタブレット同様の価格設定があればそれだけで相当の販売台数を確保するには十分だろう。それに加えてスペックとしては見過ごされがちなAmazon独自の切り札がいくつかある。たとえばKindleFire HDXには操作に困ったとき24時間いつでもビデオチャットのヘルプが提供されるMaydayというサービスがついてくる。このオンデマンドのビデオヘルプがAmazonスマートフォンにも導入されたら、スマートフォンは使い方が難しそうだと敬遠しているユーザー層に強くアピールできるかもしれない。

詳細はまだ不明だが、Amazonのスマートフォンが開発中であることはほぼ間違いないようだ。特にHTCにとっては起死回生のチャンスとなるかもしれない。HTCはAmazonスマートフォンの成功を神に(だか仏にだか)祈っていることだろう。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+